2017.9.13 映画の感想を共有できる 【銀の街から】
銀の街から /沢木耕太郎(著者)
評価:3
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■ヒトコト感想
沢木耕太郎の映画批評。90作品をも批評しており、驚いたことにその3分の2は自分が見たことのある作品だった。調度よく映画を見ていた時期と重なったのだろう。過去の作品ではあるが、自分が見たことのある映画に対して、他者がどのような感想をもつのかは非常に興味深い。映画評を読むにしても、まったく知識のない映画についてより、知識があるものの方が読みやすい。
「ツォツィ」から始まり「思い出のマーニー」あたりまで、それなりに自分の印象に残っている作品ばかりが批評されている。作者の批評に納得できることもあれば、違った印象を持つ場合もある。ただ、ほぼ好意的な批評ばかりなので、嫌な気分になることがないのは確かだ。
■ストーリー
震えるような緊張と興奮、最高の幸福感、魔術的な一瞬…映画は、私たちを思いがけないほど遠くへと連れて行く。朝日新聞紙上で15年以上つづく、映画評からはじまる名エッセイ第一弾。2007年から2014年までの90篇を収載。
■感想
約3分の2の作品については、自分も見たことがあったので、作者の批評は理解しやすかった。自分の印象と多少異なる部分はあるのだが、それでも作品を知っていると印象的にはすんなりと内容が頭に入ってくる。
そんな中でも自分が見たことのない作品で、作者の批評を読んで強烈に見てみたくなった作品はある。それは「ターニング・タイド」であったり「キリマンジャロの雪」だ。批評を読んでその映画を見たくなる。実際に作品を見てがっかりするかもしれないが、本作が入口になることは間違いない。
過去見た作品を思い出すきっかけになる。自分でも見たことを忘れており、本作の批評を読んで思い出すパターンだ。それは「扉をたたく人」や「私の中のあなた」などだ。作者の批評を読み、なんとなくだが記憶の片隅に印象が残っている。
そして、改めてタイトルと見ると、それは自分が過去に見た作品だということを思い出す。タイトルを見ただけで、はっきりと思い出すことができる作品であれば良いのだが、必ずそうだとは限らない。「ゼロ・グラビティ」などのインパクトのある作品であれば問題はない。
作品を見た時の自分の印象と、作者の印象が一致する場合がある。また、あまり他の人の批評を読んだことのない作品や、珍しい作品について作者が批評しているとなんだかうれしくなる。「きっと、うまくいく」は、インド映画らしくない作品だが、自分の中では強く印象に残っている。
長大な作品なので、細かなネタについて作者がふれることはない。ただ、全体の印象としてこの映画作品を取り上げたということは、それなりに注目していたということなのだろう。
映画を見終わったあと、感想を言い合うような感じだろうか。
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