思い出のマーニー


 2015.12.8      全体的にぼんやりとした印象だ 【思い出のマーニー】

                     


■ヒトコト感想

ジブリアニメとして、ターゲットがどこなのか、よくわからない作品だ。心を閉ざした少女・杏奈の前に現れた金髪の少女マーニー。明らかに普通ではない、過去のような世界に紛れ込む杏奈。杏奈の現実の生活が、それなりに恵まれていない状況ではある。杏奈の心安らぐ場所としてマーニーの世界がある。時を超えた世界。観衆としてはマーニーと杏奈の関係になんらかの想定をすることになる。

物語として、言いたいことはわかるのだが、インパクトがない。そのため、なんだかぼんやりとしたまま物語が終わったような気がした。ゆっくりと流れる時間の中で、衝撃的な事件や出来事もなく、物語がすすんでいく。結末間近にマーニーと杏奈の関係が明らかとなる。ただ、ある程度想定内なので、そこまで衝撃はない。

■ストーリー

海辺の村の誰も住んでいない湿っ地(しめっち)屋敷。心を閉ざした少女・杏奈の前に現れたのは、青い窓に閉じ込められた金髪の少女・マーニーだった。「わたしたちのことは秘密よ、永久に。」杏奈の身に次々と起こる不思議な出来事。時を越えた舞踏会。告白の森。崖の上のサイロの夜。ふたりの少女のひと夏の思い出が結ばれるとき、杏奈は思いがけない“まるごとの愛"に包まれていく。

■感想
ジブリ作品として子供をターゲットにするには難しすぎる。ただ、大人が見るには刺激が足りないような印象だ。杏奈が心を閉ざした原因にしても、子供が感じることにしては、やけに大人びているように感じられる。人より少し変わった容姿のことを責められ、その結果、心を閉ざしてしまう。

両親が事故にあい死んだということと、育ての親が国からお金をもらっていたと知りショックを受ける。まぁ、子供ならばしょうがないような悩みに思えるのだが、大人が見るとあまり共感はできない。子供が見ると難しすぎるような気がした。

マーニーと出会い、お互いの気持ちを通じ合わせる杏奈。マーニーの世界は華やかな貴族のような雰囲気があり、杏奈を快く受け入れている。杏奈とマーニーの楽しげでファンタジーな世界と、心閉ざした杏奈の現実。田舎暮らしにより、少しづつ友達もできたことにより、杏奈に変化の兆しが見えてくる。

マーニーと杏奈の関係が本当に仲の良い友達のようになると、二人の繋がりについて興味がわいてくる。その先にあるのは、物語のオチを想像することだろう。大きな事件や出来事が起きるわけではない。

物語はラストまで突っ走る。その際に、マーニーと杏奈の関係が最後に感動を引き起こすという流れなのだろう。確かに感動はするかもしれないが、インパクトは弱い。子供向けではなく、大人が十分楽しめるかというと微妙かもしれない。

ジブリと言えば、子供が楽しめる作品というイメージがあるが、そうではない。もっと謎やワクワクするような展開が待っているのかと思いきや、そうでもない。ただ。印象的な音楽で感動を引き起こそうとしているのが妙に印象に残っている。

強烈なインパクトがないので印象が弱いのだろう。



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