月曜日は水玉の犬 


 2022.10.21      作者の日常エッセイシリーズ 【月曜日は水玉の犬】

                     
月曜日は水玉の犬 [ 恩田陸 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
恩田陸の映画や本の話。「土曜日は灰色の馬」「日曜日は青い蜥蜴」などに続く作品。作者が好きな映画や本について語られている。相変わらず作者と自分の趣味が少し近い感じなので、作者が批評する作品をよく知っていると、より楽しんで読むことができた。古典のミステリーや、漫画や映画まで。ミステリー作家として様々な同業の作品を読んでいるというのがよくわかる。

エラリークィーンなどは有名ではあるが、自分の中では読んだことがなかったので、がぜん興味がわいてきた。ミステリー作品としてのインパクトがある作品や、そうでもない作品まで。作者がどのような作品に興味をもつのかを楽しんで読むことができた。

■ストーリー
「物語」は、決して尽きない。この世に輝く数多のエンターテインメントを小説家・恩田陸とともに味わい尽くす――。強烈で贅沢な最新エッセイ集。――いろいろな意味ですごい世界になったものだが、逆にリアル書店で過ごす時間、リアルに対面で読んだ本や観た映画について語り合う時間、酒を酌み交わしつつとりとめのない雑談をする時間のありがたみと幸せを、しみじみと感じてしまう。この本で、私のそんな雑談をひととき楽しんでいただければ幸甚である。

■感想
佐藤優の小説や、その他自分が知っている作者の作品が多く取り上げられている。とりわけ、ミステリーについては、やはり自分がまったく知らないミステリーまで幅広く読んでいるという印象がある。スティーヴン・キングの「IT」については原作とさらには映画版までも見ている。

自分もどちらも見ているのだが…。作家としての仕事として見る視点と、作り手側から見る視点というのがあるのだろう。どちらも持ち合わせている作者はやはりすばらしい。

ちょっとした日常エッセイ風な作品でもある。作者が日々どのような思いで過ごしているのか。ふらっとカフェに寄ったり本屋に寄ったり。酒を飲みつつとりとめのない雑談をする。それが気の合う仲間であり、さらには趣味が似通っていれば最高かもしれない。

どことなく作者と好みが似ているので、楽しんで読むことができた。特に、自分が好きな作品を作者もほめていると少しうれしくなる。そして、自分の知らない作品を作者が絶賛していると、自分も多分好きなのだろうと、その作品に興味がわいてくる。

エッセイとしては、作者と趣味が合わなかったり、好きな作品のジャンルがミステリーではない場合、少し辛いかもしれない。登場してくる作品をほとんど知らない状態で見るのはNGかもしれない。

名前を聞いたことがあるだとか、ちょっと知っているだとかがないと、まったく共感ができない。強烈なインパクトはないのだが、やはり作品を知っていると楽しめることは間違いない。おすすめ作品を探すと言う意味で、これからチャレンジする作品を選ぶ場としても良いかもしれない。

ミステリー好きであることが前提だろう。



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