ベストセラーに学ぶ最強の教養 


 2022.12.29      読んでみたくなる過去のベストセラー 【ベストセラーに学ぶ最強の教養】

                     
ベストセラーに学ぶ最強の教養 [ 佐藤優 ]
評価:3.5
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■ヒトコト感想
作者が過去を含めベストセラーを時代と共に解説する。時代ならではのベストセラーということなのだろう。今回紹介されたベストセラーの中で読んだことがあるのは、「テロルの決算」「色彩をもたない多埼つくる~」「バカの壁」「塩狩峠」くらいだ。作者が紹介する作品の中で、いくつか読んでみたいと感じた作品はある。あまりに古い作品は少し躊躇してしまう。戦時中や戦後の混乱期のベストセラーは時代に求めらえたからこそヒットしたのだろう。

現代の作品としては「コンビニ人間」を読んでみたくなった。ただ内容だけ見ると、なんとなく現代人の無機質な雰囲気を感じずにはいられない。古典的名作として「学問のススメ」や「吾輩は猫である」なども登場してくる。

■ストーリー
1871(明治4)年の『西国立志篇』から2016(平成28)年の『コンビニ人間』まで――ベストセラーになった42冊の本を通して、日本の近現代史が見えてくる。佐藤優流、最強の教養本!

■感想
作者が独自の視点でその時代にベストセラーとしてヒットした作品を解説する。過去のヒット作品についてはほとんど知らないが、作者がわかりやすく解説してくれる。その当時の時代的なものもあるのだろう。国民が求めるモノが違うのでヒットする作品の傾向も異なる。

「戦艦武蔵」などは、ワクワクしてくる。確かに戦力としては不利な巨大戦艦をなぜ作ることになったのかなど、興味深い内容となっている。かなり昔の作品だが機会があれば読んでみたいと思った。

「ビリギャル」など当時話題となり映画化された作品もある。作者なりの解説があり、驚きの分析もある。偏差値30から慶応に合格するための素養があった。そして、経済的な協力がなければ絶対に成功しなかったというのもよくわかる。

「外国語上達法」などでは、どのようにすれば外国語が上達するのかが描かれている。金と時間が必要というのが身も蓋もないようだが…。実際に読まなくとも作者の解説を読めば、読んだ気になれるのが良い。

「蜘蛛の糸」「こころ」「吾輩は猫である」など、教科書にのっている作品も解説されている。有名作品であり、なんとなく内容はわかっているのだが、作者の独特の解説は面白い。驚きなのは「吾輩は~」がネコ好きに好かれる作品かと思いきや、ラストでは家人が残したビールをなめてネコが酔っぱらい、水がめに落ちておぼれ死ぬというオチらしい。

なんだかなぁ、というオチだが、それについても作者なりの解説があるのが良い。ベストセラーを読んだ気になれるのは間違いない。

いくつか読みたいと思った作品は読むかもしれない。



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