超バカの壁 


2006.5.6 はっきりと言い切る難しさ 【超バカの壁】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
これが正論かどうかはおいといて、一意見としては非常に参考になる。こんな考え方もあるんだという思いと、ちょっと極論過ぎるような気もするが、ここまではっきりと言い切れるのは、なんでもあいまいにしがちな日本人にとっては良いのかもしれない。すべて影響されるのは危険だと思うが、はっきりとした自分自身をイメージするには他人の意見も参考にするのは良いのだろう。具体的で非常にわかりやすかった。

■ストーリー

若者の問題、自分の問題、テロの問題、男女の問題、子どもの問題、お金の問題…。現代人の抱える様々な「壁」を超えるヒントが詰まった、「バカの壁」「死の壁」に続く第3弾。この「壁」を超える方法は、自分の頭で生み出せ!

■感想
ニートの問題やテロの問題。男女間の問題などタイムリーで誰でも問題として捉えることをテーマにしているので読む人にとって蚊帳の外に置かれることがないのは良い。間口が広いものをテーマにするのはその分さまざまな意見があるので、作者の意見に合わない人からの批判は多いのだろう。しかし、作者が言っているようにそれをいちいち相手にしないことが自分自身の確固たる意見を持つためには必要なことだと思う。

読んでいてものすごく感じたのは、
他人の評価をほとんど気にしない作者なのだと思った。これほどはっきりと言い切るのはある意味すごいことで、それがあながち的外れではなく、納得させられるから不思議だ。テロなどが一元的な考え方によって起きるというのは、皆がわかっていることなのだがあらためて文章にして示されると、さらに説得力がましている。

「バカの壁」も読んだのだが、それはわりと抽象的でちょっとわかりにくいような気がしたが、本作の具体的な例を出して示す方式は、読者が思ったほど自分の主張を理解してくれなかったので、よりわかりやすくしたのだろうか。まさにバカのことを理解した上で生み出された本といってもいいかもしれない。

他人の意見を聞くのは非常に重要で、何かしら影響されるのもいいと思う。本作がすべてを押し付けがましくしていないのも、あっさりと読める要因なのかもしれない。



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