魔女の後悔 [ 大沢在昌 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
大沢在昌の魔女シリーズ第三弾。本シリーズの主役が売春島を生き抜いてきた水原であり、周りには水原を助ける様々な勢力が存在するというのがポイントだ。「魔女の笑窪」「魔女の盟約」「魔女の封印」から続く本作。ボディーガードを依頼され、13歳の少女由乃を京都まで連れていくことになるのだが…。
由乃が韓国がらみの大金を手に入れるためのカギとなるため、由乃が各方面から狙われることになる。そこに、水原の過去を知り、水原に激しい恨みをもつ存在が水原を狙う。非常に多方面から狙われている状態ではあるが、水原側にも強力な仲間がいる。武闘派のオカマの星川。警察組織の湯浅、そしてヤクザと繋がりのある企業の社長であるタカシ。由乃と水原のつながりがポイントだ。
■ストーリー
その娘、希望か絶望か。韓国・巨額詐欺事件の遺産を継ぐ少女と、売春島を生き抜いた女を結ぶ暗い糸。捨てたはずの未来が、追いかけてくる――通称〝地獄島〟に娼婦として売られた過去を持ち、闇のコンサルタントとして裏社会を生きる女・水原。ある日、13歳の少女・由乃を京都まで連れてきてほしいと依頼される。ボディーガードとして同行するが、途中で謎の人物に襲われかけ、由乃の亡父が韓国政財界を震撼させた巨額詐欺事件の主犯だったことを知る。さらに由乃だけでなく、執拗に水原を狙うグループが現れ、由乃との思わぬつながりを告げられ――。
■感想
裏社会で生きる女、水原。そもそもシリーズとして水原は過酷な過去を生きてきた。そんな水原がボディーガードとして13歳の少女と共に京都へ向かうことになる。この由乃と水原が実は大きな因縁がある。それがわかるのは後半になるのだが…。
韓国での巨大な詐欺事件の主犯が由乃の祖父であり、その莫大な隠し財産があり、取り出すためには由乃が必要だということになっている。そのため、各方面から由乃は狙われるかと思いきや…。ここで水原のみが拉致されることになる。
今はほとんど知る者のいないはずの水原の過去を知り、整形前の顔を知る人物が水原を狙う。由乃とは別口での水原を狙う勢力。ただ、ヤクザを使ったということで、水原が想像を超えてヤクザの大物とのコネがあるため拉致した下っ端ヤクザたちは泡を食うことになる。
水原を知らない下っ端ヤクザを使って拉致して殺そうとした人物とは誰なのか。湯浅という警察組織の力も使えるので、水原たちはとんでもない調査力をもつことになる。後半ではその実力が発揮されている。
由乃を狙う勢力と水原を狙う勢力が協力していた。金が欲しい者と水原の命を狙うだけの者。由乃という足かせがあり、水原は混乱する。ここでの全精力を使っての戦いはすさまじい。水原側は圧倒的な調査力で犯人側を追い詰めていく。
最後には韓国の軍隊までもが入り込んでくる。ラストで犯人たちは1億を手に入れるチャンスがでてくるのだが…。水原への恨みが強い人物の動きが事態を混乱させていく。シリーズとして由乃が引き継ぐ可能性がでてきた。
シリーズを読んでいる方が楽しめる作品だ。