魔女の封印 上 


 2020.12.18      人間の頂点に立つ生物 【魔女の封印 上】

                     
魔女の封印 上/大沢在昌
評価:3.5
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■ヒトコト感想
魔女シリーズ。水原が謎の男・堂上を調べるうちに、堂上の正体を知る。堂上が1億人に1人存在すると言われる頂点捕食者であることがわかる。人間を捕食する存在。食べられた人間は、なんのへんてつもなく、多臓器不全で死んでしまう。食べ方によっては長く入院させ二度と元通りに戻れないようにすることもできる。手をかざして一瞬で相手を腑抜けにすることができる。

人間の頂点に立つ生物であることは間違いない。そんな頂捕と呼ばれる存在が中国から日本にやってきて堂上に接触しようとする。頂捕をめぐり国やヤクザが濃密に絡んでくる。水原は独自のネットワークを駆使して堂上と知り合いになるのだが…。頂捕をどのような存在として扱うかがポイントなのだろう。

■ストーリー
特殊能力を活かし、裏のコンサルタントとして生きる女・水原は、旧知の湯浅に堂上という男の調査を依頼される。実は堂上の正体は新種の頂点捕食者―人のエネルギーを摂取して生きる―であることが判明し、さらに中国で要人暗殺に係わった頂捕が日本に潜入しているという。そんな折、水原と接触した堂上が行方を絶つ。

■感想
上巻では水原が堂上の調査を依頼される。国が注目する謎の男・堂上。人間の頂点に立つ男と言われるが、序盤では堂上にどんな秘密があるかわからない。ただの初老な男としか見えない堂上だが…。堂上の知り合いの店を地上げしたヤクザが、実は寝たきりの状態となっていた。

外傷はないのだが、起き上がることができない。それを堂上の仕業だと考える者たちがいた。ヤクザも実は堂上に注目しており、裏では別の探偵が堂上を調査していた。国からもヤクザからも注目される存在に水原が迫る。

水原は相手と対面すると、男の真相を見抜くことができる特技があるのだが、堂上は見抜くことができない。裏のコンサルタントとして危険な道を歩みながら、堂上に近づいていくのだが…。ここで、別の探偵の手下が突如として多臓器不全で死亡してしまう。

堂上の店をきりもりしていた男も同じく多臓器不全となる。この時点では、堂上が暴走し周りの者の命を奪いだしたのかと思いきや…。中国から堂上と同じ頂捕が入国していたと知る水原。頂捕同士がひかれあう形となる。

下巻では堂上と中国の頂捕の対決があるのだろうか。堂上が瞬間的に相手から生気のようなものを吸い取る場面もある。人間を捕食する頂捕。その存在が公になると大騒ぎになることは間違いない。頂捕は長生きし頂捕の存在を知る一部の人間は、頂捕を研究しようとする。

堂上の存在が奇妙すぎる。普通の両親の元で突然変異として生まれる頂捕。もし、頂捕の男女から子供が生まれたとしたら、それは頂捕となるのか。もし、そうではなかったら、頂捕の存在にどのような意味があるのか。

人間の進化の形が頂捕なのだろうか。。



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