リトル・フォレスト 春夏秋冬


 2020.8.7      田舎での自給自足、韓国版【リトル・フォレスト 春夏秋冬】

                     
リトル・フォレスト 春夏秋冬
評価:3

■ヒトコト感想
元は漫画原作らしい。日本でも橋本愛が主演として映画化されているのだが、本作は韓国版だ。ソウルから田舎に逃げ帰ってきたヘウォン。自給自足の生活で料理をするシーンがメインだ。日本と韓国の食生活の違いが面白いのだが、どこか日本寄りになっているのが良い。まさか、韓国でチヂミの代わりにお好み焼きがでてくるとは思わなかった。

田舎で生活する女と都会での仕事に疲れて田舎へ逃げ帰った男もいる。基本のストーリーは同じなのだが、韓国ならでわの料理が良い。韓国の四季なので、春でも雪が降っているのが違和感がある。新たな道へと進もうとする若者たちの葛藤と、田舎生活の良さというのが、コロナに多大な影響を受けている現在では身に染みる感じがした。

■ストーリー
ちょっと休んでも、他と違っても、不器用でも大丈夫――。恋愛、就職と何一つ思いどおりにいかない日常から抜け出し故郷に戻ってきたヘウォンは、旧友であるジェハとウンスクに再会する。他人とは違う自分だけの人生を生きるために故郷に戻ってきたジェハ、平凡な日常からの逸脱を夢見るウンスクと共に自ら育てた農作物で一食一食を作っては食べ冬から春、そして夏、秋を経て再び冬を迎えることになったヘウォン。こうして特別な四季を送りながら、故郷に戻ってきた真の理由を悟ったヘウォンは新たな春を迎えるための第一歩を踏み出すが…。

■感想
日本版は「夏」「秋」「冬」「春」に分かれていた。本作は韓国版としてソウルから田舎に帰ってきたヘウォンを中心に田舎暮らしが描かれている。基本のストーリーは日本版と変わらないのだが、でてくる食事内容が大きく変わっている。

自然の材料を使って簡単な料理を作る。白菜を炒めて醤油をつけて食べる。小豆を煮たり、パンを作ったり。自然の材料を使ってすべてをいちから手作りする。手間はかかるのだがおいしいのだろう。ヘウォンは金がないから自炊しているというのもあるのだろう。

ソウルのコンビニでバイトしていたヘウォン。そこで食べる弁当はいかにも質素だ。コメを口に入れた瞬間にまずくて吐き出してしまう。自然にあふれた田舎で自然の食事になれた者にとっては添加物だらけのコンビニ弁当は食べれたものではないのだろう。

ヘウォンの田舎では幼馴染のウンスクがいる。ウンスクも都会にあこがれながら、田舎の役所のような場所で仕事をしている。上司の文句を言いながらも田舎から出ようとはしない。都会から逃げ帰った者と、田舎にとどまる者。よくあるパターンだ。

本作では韓国独自の料理も登場してくる。印象的なのは、トッポギだろう。真っ赤で辛そうなスープに絡めて食べるモチのような食べ物。韓国ではごく一般的な家庭料理なのだろう。トッポギをハフハフしながら食べるシーンはとてもおいしそうだった。

恋人と別れて田舎に帰ってきたジェハ。ウンスクはジェハを狙っていたりと、ちょっとした恋愛模様もある。ヘウォンが自給自足生活をするシーンをひたすら見るというのが本作の楽しみ方なのだろう。

料理シーンには思わず見入ってしまう。



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