リトル・フォレスト 冬


 2017.9.18      つきたての納豆餅がうまそうだ 【リトル・フォレスト 冬】

                     
リトル・フォレスト 冬・春橋本愛
評価:3

■ヒトコト感想
小森での冬の過ごし方。雪深い場所なので、雪がらみの食材が多い。突然失踪した母親から手紙がくるが、それは大きな流れに変化はない。つきたての餅に手作り納豆と砂糖醤油で納豆もちを作る。これが何個でも食べられるほどおいしいらしい。新鮮な大根を寒空の下で干す。シミ大根というらしい。いち子の食事は健康的で、わりとがっつり食べている。

都会での生活では、カップラーメンの食事をしてみたりしたようだが、すぐさま自炊に戻っている。バイト先の男の子に弁当を作ったとしても、相手に重く思われたくないからと渡すことができない。小森での生活もそうだが、どうもいと子はさみしい女の子に見えてしまう。ひとりで食事をするシーンを見るとなおさらそう感じた。

■ストーリー
“小森”は東北のとある村の中の小さな集落。いち子は、一度街に出て男の人と暮らしたりもしたけれど、自分の居場所を見つけられず、ひとりでここに戻ってきた。「言葉はあてにならないけど、わたしの体が感じたことなら信じられる」と思い、稲を育て、畑仕事をし、周りの野山で採った季節の食材から食事を作って食べる毎日。そんなある日、一通の手紙が届く。それは5年前の雪の日に突然失踪した母・福子からの手紙だった・・・。

■感想
冬の小森ではどう過ごすのか。まずはいち子の好物である納豆餅が登場してくる。納豆は当然ながら自作だ。砂糖醤油で味付けした納豆を餅にまぶす。つきたて餅が最高にうまいらしい。定番の焼き芋は、驚きなのだが皮ごと食べるシーンだ。

薪ストーブで作るというところがポイントなのだろう。ストーブはじっくりと火を通す料理にぴったりなようで、煮物はじっくりと煮込んでとてもうまそうだ。なんでも手作りしてしまういち子は、チャパティまで作ってしまう。いち子にとって、外食するメリットは何もないのだろう。

小森での食事は若い女の子らしくない非常に健康的な食事だ。いち子が都会にでていた時に、一時的にではあるがインスタント生活をしていたらしい。そこでも野菜が恋しくなり、カップラーメンのカップでラディッシュを育てたりもする。

今まで健康的な生活をしてきた者が、都会にでてインスタント生活をすると体調を崩すのだろう。バイト先の男の子が非常に痩せていることを気にかけ、弁当を作ってきたはいいが、それを渡すことができない。確かにいち子は何も知らない人からすると、やっかいな人物のような気がする。

母親との関係がはっきりするかと思いきや、そうはならない。友達との関係については、女同士のゴタゴタはあるにせよ、すぐに仲直りする。いち子の友達も同じく田舎暮らしには慣れたものなのだろう。

スパイスたっぷりのカレーを作り一緒に食べたり。田舎ならではの一体感というか、人間関係は狭いが非常に濃い。若者が極端に少ないのは当然のこととして、そこで暮らす若者たちは将来どうするのか、なんてことも考え始めるのだろう。

いち子の食事シーンはなんでもおいしそうに見える。



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