2017.10.7 とれたて野菜の手作り料理 【リトル・フォレスト 春】
リトル・フォレスト 冬・春橋本愛
評価:3
■ヒトコト感想
春となると使える食べ物が変化してくる。じゃがいもや玉ねぎなど小森でとれた新鮮な野菜を料理して、美味しく食べる。玉ねぎを丸ごと焼いて柔らかくして食べるのはうまそうだ。キャベツが大量にとれるからと、ニンジンケーキのようにキャベツケーキを作ったりもする。玉ねぎやジャガイモを丸ごと料理すると、かなりうまそうに見える。
つくしを大量にとってきて、それを佃煮にする。自然豊で春にはそこら中に食べ物がある。主人公のいち子が、小森を愛するあまり、小森からいったん外に出て自分で選択して小森に戻ってきたいと思う気持ちもよくわかる。田舎の良さが強烈にアピールされている作品なので、もしかしたらホームシックにかかる人がいるかもしれない。
■ストーリー
“小森”は東北のとある村の中の小さな集落。いち子は、一度街に出て男の人と暮らしたりもしたけれど、自分の居場所を見つけられず、ひとりでここに戻ってきた。
「言葉はあてにならないけど、わたしの体が感じたことなら信じられる」と思い、稲を育て、畑仕事をし、周りの野山で採った季節の食材から食事を作って食べる毎日。そんなある日、一通の手紙が届く。それは5年前の雪の日に突然失踪した母・福子からの手紙だった・・・。
■感想
いち子の境遇も判明したところで、いち子は小森で幸せな生活を送っていると思われた。ただ、これまでの流れから、都会に出たはいいが、逃げ帰ったような形で小森で生活しているようだ。幼馴染たちとののんびりとした生活。目の前でとれた新鮮な野菜をメインとした食事。
いち子の手際の良さには圧倒されてしまう。ただの玉ねぎでもいち子が料理し、丸ごと蒸し焼きのようにすると、それだけで最高級のディナーのようになる。春は野菜が美味しい季節なのだろう。
春はキャベツやジャガイモがうまいらしい。たっぷりのキャベツをケーキに練り込む。想像できないが、うまいのだろう。ジャガイモを丸ごと蒸かして食べる。ただでさえうまそうなジャガイモが、それだけで立派なごちそうになる。たっぷりのつくしを佃煮にして幼馴染に食べさせる。
都会の感覚とはかなりかけ離れた、人と人との距離の近さというのは感じずにはいられない。一度自分を見つめ直すために、いち子は小森を出る。一度出てもう一度小森の良さを認識してから戻ってくるらしい。
数年後の小森が描かれており、ありがちなことだが、幼馴染同士が結婚して子供がいたりもする。いち子は母親が出て行ったままの家でひとり生活していくのだろうか。テレビがなく暇な時間には、ひたすら本を読んでいるような生活をするいち子。
日々のサイクルは自分が食べる物を育て、そして料理をする。まさに自給自足の生活だが、それだけではいち子の生活があまりにもさみしいように思えてしまう。若くてきれいな女性だからなおさらそう思うのだろう。本シリーズはそのミスマッチをある程度狙っているようだ。
とれたて野菜の手作り料理はうまそうだ。
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