『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』『ミレニアム2 火と戯れる女』『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』
評価:2.5
■ヒトコト感想
前作から引き続き、リスベットが中心となり物語はすすんでいく。雑誌ミレニアムの記者が殺された。凶器からリスベットの指紋がでたことから、リスベットが容疑者とされる。前作でリスベットと共になぞ解きをしたミレニアムの記者であるミカエルがリスベットの無実を証明するために奔走する。リスベットのハッキング能力もそうだが、前作からのつながりが重要となっている。
リスベットの後見人であり、リスベットに性的虐待を加えていた弁護士の男が、容疑者となっていたが殺されていた。何かしら売春組織が怪しいという雰囲気があるのだが…。ハリウッド版の「ドラゴンタトゥーの女」は「蜘蛛の巣を払う女」であり、内容はリスベットの過去を描いているので、本作とは全く別物だ。
■ストーリー
スウェーデンの売春組織の真実を暴こうとしていた2人の「ミレニアム」の記者が、残忍な手口で殺された。凶器からリスベットの指紋が発見、彼女は指名手配されてしまう。「ミレニアム」の編集長となったミカエルは、彼女が報道によって追い詰められる前に、必死に探し出そうとする。その捜索を通じて、彼は、リスベットの衝撃的な過去を知ることになる・・・。
■感想
前作ではヴェンゲル一家の娘の失踪の謎を解き明かす物語であった。本作では、強烈なハッキング能力のあるリスベットが殺人の容疑者として指名手配されることになる。リスベットが癖のある存在なのは間違いない。
恋人は女であり、まともな仕事をしていない。対外的には精神に異常があり無能力でまともに仕事ができないことになっている。リスベットのハッキング能力は公には知られていないことだったのだが…。リスベットの関係者からそのハッキング能力が公になってしまう。
リスベットは自分に身に覚えのない容疑がかかっていると知る。新聞の一面に自分の顔がでて指名手配となればそうとうな衝撃なのだろう。リスベットはハッキング能力で他者のPCに入り込む。そして、情報を収集するのだが…。
謎の売春組織が何かしら鍵を握っているのは間違いない。ただ、今のところはごく普通の殺人事件のように思えてくる。なぜリスベットが容疑者となるような仕掛けをしたのか。ミカエルがリスベットの無実を証明するために動き出すのだが…。
前編はリスベットの現状を描くのと、ミカエルの出世具合を描いた感じだ。前作を見た人が、この二人がその後、どうなったのかという疑問に答える形なのかもしれない。後編から本格的にリスベットの調査と犯人の目的がはっきりするのだろう。
シリーズとしての人気がある作品なのだが、2作目は微妙というのが定番である。今のところ、前作ほどの謎めいた感じや不気味さはない。ここから、どれくらい挽回されるのだろうか。アッと驚く仕掛けがないとつらいだろう。
後編が楽しみだ。