ドラゴンタトゥーの女


 2024.1.10    スウェーデン版のハリウッドリメイク【ドラゴンタトゥーの女】

                     
ドラゴンタトゥーの女
評価:3

■ヒトコト感想
「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」のリメイク版。スウェーデン版よりも洗練されており見やすくなっている。出演者も豪華なので、すんなりと入り込める。基本ストーリーはオリジナルと同じなので問題なく楽しむことができた。ヴァンゲル財閥内部での軋轢や行方不明となったハリエットの行く末。それとは別に主役のミカエルのスキャンダルを見つけ出したリスベット。

ミカエルの調査とリスベットの現状が序盤に語られ、後半は怒涛の謎解きフェーズとなる。リスベットの雰囲気がオリジナルよりも、より狂気の雰囲気が強い。リスベットのエキセントリックさが本作の差別化のひとつだろう。このあとに「蜘蛛の巣を払う女」につながる雰囲気が良い。

■ストーリー
スウェーデンを揺るがせた財界汚職事件の告発記事を書きながら名誉棄損裁判で敗訴したミカエルは意気消沈の日々を送っていた。ある日、彼のもとにスェーデン有数の財閥ヴァンゲルの元会長ヘンリック・ヴァンゲル老人から家族史編纂の依頼が舞い込む。実はヘンリックの真の目的は40年前に起きた親族の娘ハリエット失踪事件の真相究明だった。ヴァンゲルはハリエットが一族の誰かに殺害されたと信じていた。

40年前に一族が住む孤島から何の痕跡も残さず消えた少女。成功の陰に隠された一族の血塗られた過去に気づくものの手がかりの掴めないミカエルは、一族の弁護士から天才的な資料収集能力の持ち主であるとして、ある人物を紹介される。リスベットという名の、顔色が悪く、拒食症患者のように、がりがりに痩せた女。この小柄な女の肩口から背中にかけて、龍の刺青(ドラゴン・タトゥー/ルビ)が異彩を放っていた。

意外なことに彼女はこの事件に異様な関心を示す。そして彼女はハリエットの日記に記された聖書にまつわる数字が、ロシアの国境付近で未解決のままとなっている連続猟奇殺人事件と関連があることを突き止めるのだった…。

■感想
ミカエルは雑誌記者として名誉棄損の裁判に負け、意気消沈の日々を過ごしていた。ミカエルの能力を評価するヴァンゲル財閥の元会長であるヘンリックの依頼から、40年前に失踪した親族の娘であるハリエットを調査することになるのだが…。

40年も前の事件なので手掛かりは残っていない。過去の写真から状況を予測しハリエットがどのような行動をとったのかを推測する。ミカエルの調査と並行するようにリスベットの状況が語られる。リスベットのエキセントリックさはオリジナルを超えている。

リスベットは新たに後見人になった男に対して復讐を誓う。体を拘束し体に入れ墨を入れたりカメラで動画を撮影して脅したり。エレベータ内部で出会うと男がどんなサイトを見ているかや、入れ墨を消す方法を探しているなどすべてを把握しているのが恐ろしい。

リスベットのIT技術力のすさまじさが本作のメインだろう。どのような隠し事もリスベットには通用しない。ミカエルはリスベットと知り合いとなり、そこからハリエットの調査協力を依頼するのだが…。

ハリエット失踪事件の真相は強烈だ。それまでミカエルに協力的だったヴァンゲル家のある人物が犯人だった。陰険なヴァンゲル家の母親であったり親戚連中が怪しいと思っていたのだが…。一番協力的な男が真犯人というのは定番なのかもしれない。

すべての事件が解決した後に、リスベットはミカエルのために行動することになる。リスベットは何でもありだ。巨額の資金を手に入れたりもできる。続編へとつながる流れはないのだが、キャラクターが秀逸なのは間違いない。

リスベットのキャラがすべてだ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp