世界は「使われなかった人生」であふれてる 


 2014.8.17      見てみたい使われなかった人生 【世界は「使われなかった人生」であふれてる】  HOME

                     

評価:3

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■ヒトコト感想

映画評。自分もそれなりに映画を見ているが、対象が2000年以降なので、作者の映画評とは少しずれている。本作は2000年以前の作品が多いが、中には自分が見たことのある作品や、作者の映画評を読み、見てみたくなった作品もある。作者が感じたことと、自分が感じたことがどう違うのか。二十年近く前の作品で、今でも内容をはっきり覚えているのは、それなりにインパクトのある作品なのだろう。

自分の中では「フェイク」はそれに当てはまる。作者が感じたこととは若干異なるが、それでも強烈に面白かった印象がある。それぞれが経験したことにより、作品の印象は変わってくる。映画好きの人もそうでない人も、たまには他人の映画の感想を読むのも良いだろう。

■ストーリー

「使わなかった!」と意識したとき、初めて存在するもうひとつの人生。あのとき、別の決断を下していたら―。去りゆく女性を引き止めることができなかった初老の男、肉親以上に愛情を注いだ弟子に裏切られてしまう中年女性…。透徹した眼差しで作品の本質をつき、そこから浮かび上がる人生の機微を抑制の利いた筆致で描く全三十編の映画評。

■感想
かなり昔の作品なので、名前は聞いたことはあるが、見たことのない作品もある。その中で、「グレイスランド」は見たくなった。エルビスプレスリーの生まれ変わりだと言う男がいた。周りは彼を異常者扱いするのだが…。

プレスリーの生まれ変わりだと信じ切った男と、次々と起こる奇跡が織りなす物語。本作を読む限りは、ちょっとホンワカした物語なのだろう。自分の筆力の無さから面白さをうまく表現できないが、作者の映画評を読むと、魅力的な作品に思えてくる。

「フェイク」は、かなりの期間、自分の心の中でのナンバーワン映画と思っていたので、本作の映画評を見つけた時にはうれしくなった。若干、忘れかけていたが読んでいくうちに思い出してきた。小難しい書き方をされているが、なんと言ってもアル・パチーノの哀愁ある演技がすばらしい。

ジョニー・デップとの友情もそうだが、ひとつの仕草だけで何の説明のいらない演技がすばらしい。単純なマフィアものではない、奥深さを思い出した。久しぶりに見てみようかとも思った。

本作の中で、「許されざる者」や「スピード」は有名作品のため、見たことがある。特にスピードはあれほどヒットしたので印象深い。作者が映画評として選んだラインナップには、大作ハリウッド映画はない。にも関わらず「スピード」が選ばれているのは、若き日のキアヌリーブスを褒めたいからだろう。

もしかしたら、当時は無名というか、掘り出し物的な扱いだったのかもしれない。今や大スターとなったキアヌの若いころというのも、時代を感じずにはいられない。

古い作品であっても、興味をそそられる作品はある。



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