レッスン(ティク・ザ・リード)


2007.10.12 社交ダンスの熱血教師モノ 【レッスン!(テイク・ザ・リード)】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
Shall We Dance?ロンゲスト・ヤードを足して2で割ったような作品だろうか。社交ダンスの魅力を伝える役であるアントニオ・バンデラスが見た目どうりの熱血教師役を熱演するかと思いきや、意外に静かで紳士的な教師となっている。スクール・オブ・ロックのような最終的な熱さまでとはいかないが、最後のまとまりというのは相当なものがある。ただ、題材が社交ダンスということで、激しいスポーツでの感動というのは少なくなっている。中年を相手にしたShall We Dance?よりも若々しさを感じ、その分激しさも当然ある。社交ダンスには絶対に似合わないと思われた面々が最後にはしっかりとはまっているのは、この作品の力なのだろう。

■ストーリー

元プロ社交ダンサーのピエール・デュレインは、ニューヨークのパブリック・スクールで居残り処分を受けている生徒に社交ダンスを教えるというボランティアを引き受ける。最初はピエールを受け付けなかった生徒たちだが、ピエールの巧みな指導法によって徐々に社交ダンスに興味を示し、ついには社交ダンスとヒップホップを融合させた独自のダンスを創作するまでになる。そして生徒たちはニューヨーク市社交ダンス競技会に参加することを決意するが・・・。

■感想
この手の熱血教師ものは数あれど、パターンはある程度決まってくる。違いがあるとすれば、教師のキャラクターと、その題材にあるのだろう。本作は今までになく、社交ダンスという題材を用いている。社交ダンスのイメージとおちこぼれ生徒というのは相反するものがある。そして、その二つは決して交わることがないものかと思ったが、こうも自然に生徒たちが社交ダンスにはまっていくのは見事だと思った。

社交ダンスのすばらしさをアピールするために自分で踊るピエール。このアントニオ・バンデラス扮するピエールがやけにタキシード姿がよく似合う。今までの荒くれ者というイメージを一新するような役だが、濃い顔が社交ダンスにちょうどマッチしている。少しでも間違えれば胡散臭くなる顔立ちだが、見事紳士に変身している。

本作のメインである
社交ダンスとヒップホップの融合。そう聞いた時には、絵を想像することができなかった。実際にはそれほど驚くほどのことではなかったが、ヒップホップ系の黒人がしっかりと社交ダンスを踊る姿を見ると、社交ダンスに対するイメージが随分と変わったのは確かだ。

ある程度予想できる展開だが、わかっていても楽しめるのは良作である証拠かもしれない。



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