疑う力 


 2025.5.27      マスコミ報道がすべて真実ではない 【疑う力】


                     
疑う力 (文春新書) [ 真山仁 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
「正しいを疑え」に続く真山仁の啓発本。最近、夜のTV番組でコメンテーターをしていたりと、そこでも割と過激な発言をしている。大学の授業で語ったことが書籍化されている。メディアのニュースや情報などに疑いをもてということが描かれている。フェイクニュースがあふれるこの現代社会で、どのようにして正しい情報だけを見つけ出すのか。

ロシアとウクライナの戦争についても、一方的にロシアだけが悪いわけではない。国民たちを危険にさらし苦しめているのはウクライナの大統領の方だということだ。そのほか、作者の小説作品のテーマとなっている地熱発電の話や、東日本大震災の前に、震災により原子力発電所がメルトダウンすることを描いた際のエピソードが語られている。

■ストーリー
世の中で〝常識〟とされていることは、本当にそうなのか。「資本主義が限界を迎えている」「日本は分断されている」「地球温暖化は悪」……累計発行部数270万部突破の小説「ハゲタカ」シリーズの著者と考える、現代の幸福論。

■感想
日本の現状にも触れられている。少子高齢化社会で割りを食うのは若者たちだ。政治家たちが向いている方向も高齢者の方ばかり。となると、若者は疲弊していく。わりと言っていることは当たり前のことなのかもしれない。

台湾有事のことについても、アメリカと中国は表では喧嘩をしているが、実はテーブルの下では握手している。単純な領土争いや武力による戦争というよりは、経済での戦争の意味あいが強いのだろう。台湾の半導体を占領している力をどのようにして排除していくのかなどを考えているようだ。

作者が得意とする様々な分野の情報が語られている。「ハゲタカ」の作者ではあるが、きな臭い買収の話だとかよりも、最近では地球環境や電力についてのイメージが強い。特に印象的なのは、原子力発電所が地震によりメルトダウンするということを、東日本大震災の前に小説化していたということだ。

作品を発表した際には、絶対にそんなことは起こらないと専門家から言われたらしいのだが…。大震災後にその人物から謝りのメールがきたらしい。かなり先見の明があるということだ。

作者が作品でも強く主張していた地熱発電についても語られている。作者の主張通りであれば、なぜ日本政府は地熱発電に力を注がないのかと疑問しかわかない。国立公園を開発する必要があるということだけが足かせではないのだろう。

省エネだとかを叫ぶためには、自らが犠牲になる必要があると語ってもいる。今の便利な生活を経験している者たちにとっては、今更節電なんてのは到底受け入れられないだろう。原始人に近いような生活をするというのが強烈だ。

相変わらず作者の主張は強烈だ。



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