椿ノ恋文 (幻冬舎文庫) [ 小川糸 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
「ツバキ文具店」「キラキラ共和国」から続く物語。鳩子が結婚し、子供が増え、家事や育児に追われている状況が描かれている。代書屋としての仕事よりも、鳩子の周辺の騒動が大きいのかもしれない。夫の連れ子であるQPちゃんが反抗期となり、鳩子の問いかけに返事をしないなど、子育ての悩みがある。鳩子が尊敬していた先代が、実は妻子ある男と恋をしていたことが判明するような手紙が見つかったり。
隣人トラブルに悩まされたり。何か問題があると手紙を通じてその問題を解決している。代書屋の仕事よりも、自分の解決のために手紙を使っている。鳩子の特技は他者の筆跡をそっくりそのまままねることができることだろう。この能力はすさまじい特殊能力だ。
■ストーリー
家事と育児に奮闘中の鳩子が、いよいよ代書屋を再開します。余命わずかな母から結婚を控えた娘への手紙、日に日に記憶を失ってしまう認知症の自分に宛てた手紙、夫への免許返納を説得する手紙……。ブランク明けの鳩子に次々と難題な依頼が舞い込む中、先代が生前書いたと思われる恋文が見つかって……。大人気「ツバキ文具店」シリーズ第三弾。
■感想
鳩子周辺での様々な出来事が描かれている。特に子供が2人生まれ、子育てに奔走し夫の粗が見えてくる鳩子。QPちゃんを含めると3人の子供の母親の大変さが描かれている。代書屋としての活動といううよりは、周辺の騒がしさがメインだ。
代書のエピソードとして印象的なのは、免許返納をしない父親への手紙を代書するエピソードだ。確かに高齢者の免許返納はすんなりいくパターンは少ないかもしれない。自分も同じような場面に遭遇したので、非常に共感したエピソードでもある。
思春期を迎えたQPちゃんとの関係も描かれている。母親に反抗的な態度をみせていたQPちゃん。その理由が後半で明らかになる。QPちゃんからの手紙を読んで感動する鳩子。いつもなら、鳩子が代書をして、相手が感動するというパターンではあるのだが、逆の展開となっている。
QPちゃんはむやみやたらに反抗していたわけではない。しっかりとそこには理由があった。その他にも、先代の不倫に関する驚きの手紙がでてきたり、お隣さんとの騒音トラブルを解決するための代書だったりが描かれている。
代書屋という珍しい仕事であり、現実には恐らくだが存在しない仕事だろう。本作では代書をした結果、すべてが成功しているようだが、どこかでボロがでそうだ。他人の筆跡をまねて他人のふりをして手紙を出す。相手が了承しているとはいえ、手紙を出す相手からすると、からくりがわかった瞬間に騙されたという気持ちになるかもしれない。
自分の子供のふりをして手紙を書いて、騒音のクレームを訴えてきた隣人との関係を修復しようとするのは、かなり姑息な手段だと思った。
シリーズは続くのだろう。