キラキラ共和国 


 2025.3.29      ミツロー、鳩子、QPちゃんの新家族物語 【キラキラ共和国】


                     
キラキラ共和国 (幻冬舎文庫) [ 小川糸 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
「ツバキ文具店」の続編。鳩子がミツローと結婚し、QPちゃんと母娘関係になる物語。代書屋としてのエピソードは少ない。メインなのはあくまでも新しい家族となったミツローとQPと関係者たちの物語となっている。前作のようにそれぞれ個別の事情を抱えた者たちからの依頼で代書するというのは少ない。

ミツローたちと鎌倉で暮らす日々。手探りで家族として生活していく中での驚きや感動がそのまま描かれている。作者の作品なので、当然ながらおいしそうな食べ物の描写も多数登場してくる。同じ時期に結婚したパンティーちゃんが妊娠し、その夫である男爵が癌となり余命わずかとなる。人生、良いこともあれば悪いこともあるというのを思い起こさせる作品だ。

■ストーリー
「ツバキ文具店」は、今日も大繁盛です。バーバラ夫人も、QPちゃんも、守景さんも、みんな元気です。みなさんのご来店をお待ちいたしております。――店主・鳩子亡くなった夫からの詫び状、川端康成からの葉書き、大切な人への最後の手紙……。伝えたい思い、聞きたかった言葉、「ツバキ文具店」が承ります。

■感想
前作のラストで鳩子がミツローと運命の出会いをする。そこから本作ではミツローと結婚した鳩子が描かれている。ミツローの連れ子であるQPちゃんとの生活もある。ミツローの前妻は事件に巻き込まれて死亡している。

ミツローの前妻である美幸の思い出の品がでてきたり、それをミツローが処分しようとしたところで激しく鳩子と言い合いになったり。ごく普通の夫婦とはまた違う、鳩子とミツローの落ち着いた性格を現すような雰囲気の物語となっている。

鎌倉での生活が描かれている。ミツローとQPちゃんは鳩子の家で同居することになる。それまで別々で生活していた者たちが一緒に生活するとなると、何かと問題がでてくるのだが…。鳩子は代書屋としての仕事は継続している。

特に印象的なのは、鳩子からの美雪さんへの手紙だ。ミツローの前妻である美雪のことを、何の先入観もなく好きになれる鳩子はすさまじい。普通ならば嫉妬やミツローに対しての思いなどを考えてしまうのだが…。ひとえに鳩子のミツローに対する自信の表れなのだろうか。

パンティーちゃんと結婚した男爵が癌となり、男爵からパンティーちゃんへの手紙の場面は強烈だ。幸せの絶頂にあるところで、不幸はやってくる。どうしようもないことなのかもしれないが、悲しい場面での代書も当然ながら登場してくる。

周りにはバーバラ婦人や男爵やパンティーのような、ごく普通の人々がいる中で、ミツローと鳩子だけは、そこだで神聖なものというか、あまりにも現実離れしているように思えた。このほっこりとした温かい話が好みな人が読むので、それで良いのだろうが…。

前作の方が代書屋としての雰囲気は強い。



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