ザ・エッセイ万博 


 2026.1.20      嘘だらけのエッセイは最高だ 【ザ・エッセイ万博】


                     
ザ・エッセイ万博 (一般書 514) [ 万城目学 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
エッセイに「万」が付く、万城目学のエッセイ集。今回もくだらないエッセイが描かれている。印象的なのは「マシュー・マコノヒー」についての作品と、大阪万博の件、あとは自費出版した本をコミケのような場所で売りさばくエッセイだ。知らない人物について調べてみるというもので、作者が知らない人物として上げたのがマシュー・マコノヒーだった。

作者が調べたマシューマコノヒーの情報は、自分がまったく知らないことだらけで、読んでいて驚かされた。幼少期に「グーニーズ」に出演していたり、売れない時期に「スピード」のバスの中の乗客の一人として演技していただとか。最後までまんまと信じてしまっていた。有名作品の誰も気が付かない脇役というのが絶妙だ。

■ストーリー
全編万城目節炸裂! エッセイの博覧会へ、ようこそ。京都にまつわる偉人縛りの野球チームを想像してみたり、ひとり出版社を立ち上げてみたり、憧れの人の作詞に挑戦してみたり、才能の定義を考えてみたり。そしてなんと、大阪万博ルポも収録。世間に向けて開けた話もあれば、閉じに閉じた内面の話もある。百花繚乱の全13編をお楽しみあれ!

■感想
作家として直木賞も受賞している作者だけに有名なのは間違いない。「八月の御所グラウンド」が直木賞ということに驚いた。自分的には作者の作品であればもっと面白い作品はいくらでもあるのに、なぜこの作品なのか?という思いがある。

そんな有名作家が自費出版で小説を売りにだす。初期ロットをどれくらい刷るのかということに悩んでいる。大阪のイベントで500冊売り切ることができるか心配になっていたのだが、あっという間に列ができて売り切れてしまう。作者の知名度であれば当然だろう。

かと思うと、東京では予想よりも売れなかったりする。このあたり、どんな要因があるのか不明だ。京都大学出身ということが関係して関西では売れているのだろうか。それ以外にも、「森見登美彦」や「上田誠」との競書を自費出版したり。

あえてメジャーではなく、インディーズを選ぶというのはインパクトのある行動だ。大阪万博に行った際のエッセイもある。案の定めちゃくちゃ混んでいるということはわかっていたが、エッセイから伝わってくるのは、疲ればかりだ。

まさに自由自在のエッセイだ。歴史上の人物を勝手に選んでベストナインを作ってみたり。わかりやすい有名人というよりは、マニアックな選択かもしれない。座っている絵の印象が強いからと、後白河法皇を監督にするなんてのは、適当すぎる。

最近「もしも徳川家康が総理大臣になったら」という映画を見たのだが、それに近いテイストを感じてしまった。冗談のようなエッセイが多数あり、それをどこまで信じるのか。嘘八百パターンに慣れてくると、途中で「これは嘘だろう」と気づけるようになる。

相変わらずの面白エッセイだ。



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