ダークネス 


 2026.7.16      復讐の連鎖は終わるのだろうか 【ダークネス】


                     
ダークネス [ 桐野夏生 ]
評価:3.5
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■ヒトコト感想
ミロシリーズの最終章にあたる物語のようだが…。正直、ミロシリーズを読んだのは10年以上も前なので、内容を覚えていないというのが正しいかもしれない。なんとなく覚えているのはミロの義理の父親である善三がメインとなる「水の眠り、灰の夢」が非常に面白かった印象があった。そこから、ミロがどのような流れできたのかは覚えていない。

物語としてはミロの息子であるハルオが二十となっており、ミロの過去がおさらい程度に語られることになる。ミロをレイプした山岸という存在がどのような人物だったのかはまったく覚えていない。ミロと結婚したジンホが刑務所に収監されている。このあたりもまったく覚えていない。序盤は記憶を探る物語ではあるが、後半は強烈な悪意を感じる物語となっている。

■ストーリー
私の愛した男たちは皆行ってしまった。私の魂を受け止めてくれる相手はもうどこにもいない――衝撃作「ダーク」から20年、村野ミロは生きていた。息子のハルオは「悪」を知る旅に出るが……。息子を守るため、凍る火の玉、ミロの最後の闘いが始まる。圧倒的迫力で描く、著者渾身のエンタテインメントの結末はいかに。

■感想
沖縄でひっそりと暮らしているミロと息子のハルオ。序盤ではミロと親離れしないハルオの関係性が描かれている。この時点のハルオはまだ自分の出自については何も知らない。そこから関係者を通して徐々に自分がどのような経緯で生まれたかを知ることになる。

将来有望なハルオが自分の出自を知ることで次第にドロップアウトしていく物語といっても良いのかもしれない。ミロが刑務所に収監されているジンホに会いに行ったことから、様々な恨みの連鎖にスイッチが入り、周りが騒がしくなる物語だ。

ミロの周辺の様々な動きは、元ネタを忘れているのであまり臨場感をもって読むことができなかった。ジンホがなぜ収監されているのかの説明はあるのだが、思い出せない。山岸がミロをレイプして生まれた子供がハルオであり、その山岸をミロが殺していた。

山岸の兄と善三の妻に恨まれているミロがヤクザたちの復讐から逃れるためにひっそりと暮らしていた。その恨みの連鎖が、ミロに一番のダメージを与えるのは大事な息子であるハルオを攻撃するというのが強烈だ。

ラストはミロが復讐の連鎖を終わらせるために行動する。ハルオがヤクザたちの餌食になる。復讐と言うと短絡的にミロやジンホの殺害というのをイメージするのだが、そうはならない。ミロの生活基盤を知っているはずなのだが、ヤクザたちがミロを襲撃するようなことはしない。

ひっそりと法に触れない程度に復讐をしたかと思うと、ハルオを拉致して両目をつぶそうとしたり。復讐の濃度が異なっているのも恐ろしさの要因のひとつかもしれない。

これでミロシリーズとしては終わりなのだろうか?



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