珈琲怪談 


 2025.10.29      ゾッとする怖さのある実話? 【珈琲怪談】


                     
珈琲怪談 [ 恩田陸 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
塚崎多聞シリーズとでもいうのだろうか。「不連続の世界」と似たような雰囲気の作品だ。今回も男4人でカフェに行き、そこでコーヒーを飲みながら怪談話をする。様々な場所で喫茶店巡りをして怪談を語り合う。全6編の短編集だが、あとがきを読んで驚いた。中で登場する怪談はほぼ実話らしい。男4人は外科医、検事、作曲家に音楽プロデューサーとまったく共通点がない。

ちょっとした怖さを感じる話や、偶然にしては不自然な話もある。多聞が何気なく話したことがヒントとなり検事が今担当中の事件の解決につながるのは面白い。絶対に無くならない傘は印象的だ。忘れたとしても戻ってくるのはわかるが、捨ててもゴミ捨て場に放置されているというのが面白い。

■ストーリー
なんか、怖い話ない?異界が覗き、怪異の似合う古い街。男たちが喫茶店に集ってすること、とは――。男子会で、ホラーをダベる。京都、横浜、東京、神戸、大阪、再びの京都――。なぜ多忙な四人の男たち(外科医、検事、作曲家、音楽プロデューサー)は、わざわざ遠出して喫茶店を何軒もハシゴしながら、怪談を披露し合うのか――。そして、いつも茫洋としているが、気づくとなにか肝心なことをぼそっと呟く塚崎多聞とは誰なのか?

■感想
そこまでホラーの要素は強くない。ぞわっとする怖さというのだろうか。高齢の母親が死んだ瞬間に家のブレーカーが落ちたなんてのは、そこに結び付けると何となく怖いが、日常であれば偶然というかブレーカーが落ちて、それによる影響で母親が死んだと考える方が正しいだろう。

無理やり感はあるが、すべて実話ということなので、明らかにホラーというよりは日常の何気ない出来事に実は怖い部分が潜んでいるというような感じなのかもしれない。

ドッペルゲンガーの話もある。普通に自分に似た人がいるレベルではなく同じような服装をしており、買うものも似たようなもの。となると、単純に自分が行動したことを忘れているのか?と思ってしまうレベルだ。

それ以外にも検事が事件解決に結びつけた話もある。大量のお菓子を毎日買うのだが、全く手をつけづに捨てられていた。それは何が目的だったのか。いろいろなパターンがあるのだが、お供え物というのは確かに目からうろこの答えかもしれない。

捨てられない傘は印象的だ。普通の傘なのだが、無くしても必ず自分の手元に戻ってくる。近場で無くしたのなら偶然と説明できるが、盗まれた傘が数か月後にコンビニで放置されているというのはぞっとする。

運命というよりも傘に付きまとわれていると思えてしまう。気持ち悪くなってゴミ捨て場に捨てたとしても、なぜか回収のタイミングで持っていってくれない。傘だけがポツンとゴミ捨て場に残されている場面は強烈かもしれない。

ホラーの度合いは低いが、「すべて実話」というあとがきの言葉が強烈だ。



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