TENET テネット


 2023.3.30     この複雑さについてこれるか?【TENET テネット】

                     
TENET テネット [ ジョン・デイビッド・ワシントン ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
「インターステラー」のクリストファーノーラン監督作品。「メメント」のように後になって仕組みがわかる良作だ。非常に複雑で頭の中を整理しないと楽しめないだろう。時間の逆行というのを映像化している。序盤では謎の人物が時間を逆行しているような行動をとる。主人公目線では正体不明の存在となる。この時点ではおかしい、という感覚はあるのだがそのまま物語はすすんでいる。

アクションシーンでもなんだかちぐはぐしている。その理由は後半に明らかになる。実は序盤で主人公が戦っていた謎の人物は、未来の自分が時間を逆行してやってきたという衝撃的な流れだ。ラストで地球の滅亡を阻止するミッションに成功するのだが、それは主人公からすれば、まだ道半ばということになる。ここから時間を逆行して、自らがこのミッションを立ち上げるまでを実行する必要がある。

■ストーリー
名もなき男は、突然あるミッションを命じられた。それは、時間のルールから<脱出>して、第三次世界大戦から人類を救えというもの。すべてのキーワードは。相棒と共に任務を遂行し、大いなる謎を解き明かす事が出来るのか!?

■感想
すさまじい作品だ。正しく時系列に進む世界と、時間を逆行していく世界がある。世界を滅亡させようとする勢力から、それを阻止するために主人公は動き出す。物語の中盤でそのミッションを依頼されるのだが…。実はこのミッションを立ち上げたのは将来的に時間を逆行して過去に戻った自分というのが衝撃的だ。

主人公はその事実を知らず、ただ目の前で指示されることだけを実行している。物語の中盤で、世界の滅亡を防ぐために時間を逆行する必要があると判明する。ここからが本作の真骨頂だ。

序盤では、謎の時間逆行人物との対決がある。この謎の人物は、実は未来から時間逆行してきた主人公自身というのがあとでわかる。時間を逆行しているシーンでは、それまでに見た正しい時間軸のシーンが逆回転しているように見える。

そして、主人公は自分自身と対決することになる。世界を滅亡から防ぐために時間を逆行してきたが、目の前に倒れている謎の人物もいる。この人物もまた時間逆行してきた人物というのがわかる。それは主人公の相棒として行動を共にしてきた男だった。

ラストで世界滅亡を防ぐことに成功する。相棒の助けもあり、死をのがれることができたのだが…。この時点で全体のミッションとしてはまだ中盤にあたる。主人公はこれから過去に逆行して自らがこのミッションを立ち上げ周りに指示する立場となる必要がある。

相棒の方は…。これから過去の主人公に指示されたミッションにうつる。つまり、これから相棒は、ラストの場面で登場した倒れていた人物になるといことなのだろう。ラストの場面は非常に切なく、そして複雑だ。

何も考えずに見ているとついていけないだろう。



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