2023.2.24 無茶ぶりされ続けるコンシェルジュ【マスカレード・ナイト】
マスカレード・ナイト [ 木村拓哉 ]
評価:3
■ヒトコト感想
東野圭吾原作を映画シリーズ化した本作。前作で刑事の新田がホテルマンに化けてコルテシア東京で調査をした。ホテル独特の風習とお客様第一という流れはそのままに、大晦日のパーティに現れるであろう犯人逮捕のために奔走する。このシリーズの特徴でもあるコンシェルジュの山岸と新田のやりとりがポイントだ。
コンシェルジュは不可能とは絶対に言わない。お客様の要望はすべて答える、という気概の山岸。コンシェルジュに無茶な要望の数々を依頼し、それに様々な形で答える山岸の奮闘が本作のメインかもしれない。犯人逮捕までの二転三転する流れはすばらしい。ホテルという不特定多数が集まる場所で素性のわからない犯人を探すというのはかなり難解なミッションだというのがよくわかる。
■ストーリー
ある日、警察に届いた匿名の密告状。殺人事件の犯人が、12月31日にホテル・コルテシア東京で開催される「マスカレード・ナイト」に現れる、というものだった。大晦日当日、警視庁捜査一課の刑事・新田は、潜入捜査のためホテルのフロントクラークとして働き、ホテルマン・山岸と事件解決にあたる。タイムリミットまで残されたわずかな時間で、新田と山岸は殺人犯の「仮面」に隠された「真実」に辿り着くことができるのか?
■感想
匿名の密告状によりコルテシア東京の大晦日の仮装パーティに犯人がくることが判明する。事件の解決へのリソースをすべて密告状を信頼したうえで集中させるのは違和感があるのだが…。新田含め、刑事たちがコルテシア東京の従業員や客に化け、仮想パーティの参加者を調査する。
ホテルの客にはその調査がバレないように、ごく普通のホテルの日常のように刑事たちは振る舞う。このシリーズを見て思うのは、ホテルには様々な人がやってくるということだ。個別の事情について、あまりに様々なので、ホテルマンは大変だなぁと思わずにはいられない。
個別の事情に対して真摯に対応する山岸。新田は犯人逮捕のために奔走する。通常営業をしたいホテル側と、犯人逮捕を第一に考える警察側との対立がしばしばある。特に仮想パーティへの参加者が最初から仮面をかぶってホテルに来るので、身元がわからないと警察側からクレームが上がったりもする。
不倫でホテルを使用したり、彼女に対してプロポーズする場としてホテルを選んだり。単純な癒しを求めたり。ホテルの窓から見える景色に、巨大な看板があるのが気に入らないからどうにかしろ、なんていうクレームがあったりもする。
山岸はコンシェルジュとして客のあらゆる要望に応えようとする。実際のホテルでもここまでやるものだろうか?フィクションではあるのだが、このくらいの気概はあるのかもしれない。犯人と思われるのは複数の怪しい宿泊客に絞られる。
この中の誰が犯人なのか。ミステリアスな展開はそれなりにある。入り組んではいるが、ポッと出が犯人ではないので、それなりの驚きがある。シリーズ化されているが、山岸がロスへ異動したので、今後のシリーズがどうなるのか気になるところだ。
原作も続いているので、映画版も続くのだろう。
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