マスカレード・ホテル


 2020.3.9      客の無理難題に応えるホテルマンは大変だ【マスカレード・ホテル】

                     
マスカレード・ホテル
評価:3

■ヒトコト感想
基本はホテル内で発生すると予見される連続殺人事件を止める物語だ。刑事がホテルマンのふりをしてさまざま様々なホテルの客に対応する。お客それぞれの事情によりホテルマンたちは翻弄されていく。刑事の新田はわがまま放題の客に嫌気がさすが、そこで真のホテルマンである山岸の対応のすばらしさに圧倒されることになる。

この作品は東野圭吾原作であり、シリーズ化されている。メインの事件よりも、ホテルにくる客それぞれの事情を掘り下げた部分が面白ポイントだろう。ちょっとしたエピソードが積み重なり、最後の事件の真相へとつながっていく。無駄なエピソードがないのはよい。そして、ホテルマンとはなんて大変な職業なのだろうかと一般人が思うのは間違いないだろう。

■ストーリー
都内で起こった3件の殺人事件。すべての事件現場に残された不可解な数字の羅列から、事件は予告連続殺人として捜査が開始された。警視庁捜査一課のエリート刑事・新田浩介(木村拓哉)はその数字が次の犯行場所を示していることを解読し、ホテル・コルテシア東京が4番目の犯行場所であることを突きとめる。しかし犯人への手掛かりは一切不明。そこで警察はコルテシア東京での潜入捜査を決断し、新田がホテルのフロントクラークとして犯人を追うこととなる。そして、彼の教育係に任命されたのは、コルテシア東京の優秀なフロントクラーク・山岸尚美(長澤まさみ)。

次々と現れる素性の知れない宿泊客たちを前に、刑事として「犯人逮捕を第一優先」に掲げ、利用客の“仮面"を剥がそうとする新田と、ホテルマンとして「お客様の安全が第一優先」のポリシーから、利用客の“仮面"を守ろうとする尚美はまさに水と油。お互いの立場の違いから幾度となく衝突する新田と尚美だったが、潜入捜査を進める中で、ともに共にプロとしての価値観を理解しあうようになっていき、二人の間には次第に不思議な信頼関係が芽生えていく。そんな中、事件は急展開を迎える。追い込まれていく警察とホテル。果たして、仮面(マスカレード)を被った犯人の正体とは・・・。

■感想
原作を読んではいたが内容までは覚えていなかったので、新鮮な気持ちで楽しむことができた。ホテルで事件が起きることが予見されたため、刑事たちがホテルに押し寄せてくる。そして、それぞれがホテルマンに化けてお客を監視することになるのだが…。

ホテルマンとして素人な刑事がお客の対応をするとなると歪なことになる。プロのホテルマンである山岸の対応のすばらしさがより刑事たちのずさんな行動の対比となっている。ただ、山岸のお客様ファーストは行き過ぎているのでは?と思ってしまった。

刑事の新田は刑事の眼力を見せて山岸を助ける場面もある。ただ、ほとんどがお客にいちゃもんを付けられて苦労する場面となっている。女のストーカーがやってくるから部屋番号を教えないでほしいと頼まれる山岸。そのストーカーがホテルにやってきたのだが…。

山岸が良かれと思ってとった行動が、実は相手の策略だった。現実のホテルマンが同じケースでどのような行動をとるのか。お客様ファーストといっても、山岸の行動はかなり行き過ぎている。本作を見て、現実のホテルで同じような行動をする客がでてこないか心配になってくる。

連続殺人事件と思われていたのが、実は犯人側の策略だった。犯人の真の目的は、自分の犯行を別の殺人事件へ紛れ込ませることで、自分が犯人だと刑事に見破られないためだった。それに気づいた新田が、山岸の危機にいち早く気づく。最終的なターゲットとされたのは実は山岸だった。

その理由についても、今までの他の客のエピソードからたどれるようになっている。犯人の完全なる逆恨みだが、ホテルマンは時にお客に激しく恨まれることがあるということなのだろう。

原作はシリーズ化されているが、映像化もシリーズ化されるのだろうか…。



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