ジェントルメン


 2022.3.25      ガイリッチーらしいクライムコメディ【ジェントルメン】

                     
ジェントルメン [ マシュー・マコノヒー ]
評価:3

■ヒトコト感想
ガイ・リッチー得意のギャングものだ。どちらかというと、「スナッチ」などに近いかもしれない。大麻で財を成したミッキーと部下がメインの物語だ。様々なギャングたちが入り交じり、誰が黒幕かわからない状態ではある。スナッチと同様に一言で表現するのが難しい作品ではある。ミッキーがビジネスの邪魔をしてくる者たちを排除していくのがメインなのだが、それぞれのキャラの個性がすばらしい。

荒くれ者たちをジムで訓練するコーチや、ミッキー周辺をうろつき情報を入手し金で売ろうとする男。チャイニーズマフィアやミッキーのビジネスを買い取ろうとするギャングなど、個性豊かだ。ガイリッチーらしい作品というのが、本作を説明するのに一番しっくりくるかもしれない。

■ストーリー
ロンドンに緊急事態発生。長年にわたる大麻の大量栽培・販売で財を成したアメリカ人ミッキーが、ビジネスを売却し、引退するというウワサに暗黒街に激震が走った。その利権総額なんと500億円。目の色変えた強欲なユダヤ人大富豪、ゴシップ紙の編集長、ゲスな私立探偵、チャイニーズ&ロシアン・マフィア、さらには下町のチーマーまでもが跡目争いに参戦。一筋縄ではいかないジェントルメン=一流のワルたちによるダーティでスリリングな駆け引きが始まった―!

■感想
麻薬ビジネスを売り払おうとするミッキー。その部下が情報屋からの情報で物語の推移が描かれている。序盤ではミッキーが回想でしか登場しないため、どこかで殺されたのでは?と思わせる流れがある。チャイニーズマフィアとの抗争からスタートし、ビジネスの価値が損なわれたりと様々な状況が変化していく。

ミッキーの権力は絶大であり、チャイニーズマフィアのボスはあっさりとミッキーに屈服する。それとは別に細かな困りごとにミッキーの部下が対応するのだが。。。合間に面白展開があるのが良い。

町のチンピラたちがミッキーの部下に絡んでくる場面があるが、あっさりとマシンガンを見せて追い払う場面が良い。街のチンピラたちを鍛えるコーチの存在が強烈だ。練習生たちがミッキーの麻薬工場に襲撃したため、ミッキーに貸しができ、ミッキーの仕事を手伝うことになる。

このコーチが妙にかっこよい。典型的な悪ではなく、しょうがなく手伝っているようだが…。ギャングたちとは一線を引いた位置にいるが、やっていることは結構えげつない。

結局はミッキーが独り勝ちしている。息子を殺されたロシア組織までもがミッキーを狙うのだが、うまい具合に退けている。このあたり、偶然の妙というか、「スナッチ」や「ロックストック~」と同じような流れとなっている。

登場人物たちがどんなピンチでも取り乱すことなく冷静を装っているのが良い。特にミッキーの部下はよく登場しているのだが、常に無表情なため何を考えているのかわからないのが良い。ギャングもので凄惨な場面はあるのだが、そこまで残酷に感じないのは演出の力なのだろう。

ガイ・リッチーらしいクライムコメディだ。



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