2020.9.15 残酷な場面すらポップに感じさせる流れ【スナッチ】
スナッチ [ ベネチオ・デル・トロ ]
評価:3
■ヒトコト感想
かなり久しぶりに見た。「ロック、ストック~」と同様に非常に説明するのが難しい作品だ。巨大なダイヤを中心に様々な者たちが動き回る。賭けボクシングのノミ屋のボス、プロモーターのターキッシュ。ボクサーのミッキーなど、非常に多種多様なキャラクターがうごめいている。そこそこ大物俳優が出演したとしても、序盤であっさりと殺されてしまう。
不死身の殺し屋のトニーが、それまでの不死身さが、仲間のアビーが驚いて銃を周りにぶっ放した流れ弾に当たって死ぬという面白パターンもある。ダイヤを奪うために腕を切断したり、死体を処理するために豚に死体をたべさせたりと、残虐な描写が言葉として続くのだが、映像は見せずに全体としてポップな曲を流すことで物語をユーモアに仕上げている。
■ストーリー
発端はフランキーが強奪した86カラットの大粒ダイヤ。非合法な賭けボクシングのノミ屋に、ダイヤを持って現れたフランキーが襲われた。ダイヤを追うNYマフィアのアビーと、不死身の殺し屋トニー。そこに賭けボクシングのプロモーター、ターキッシュと、ボクシングで賞金稼ぎをしようとする流浪民(パイキー)ミッキーも加わって、すべてが複雑に絡み合い、予測を越えた展開が繰り広げられる。そして、鍵を握るのは気まぐれな一匹の犬。
■感想
フランキーが強奪した巨大なダイヤはあっさりと盗まれてしまう。黒人のチンピラコンビが盗み、それを元KGBのロシア人や、NYマフィアなどが追い求めてる。そこからさらに、ノミ屋のボスは黒人ふたりを追い込んだり、ターキッシュに対して脅しをかけたりもする。
ボクサーのミッキーはターキッシュの言うことを聞かず、八百長に同意しながらも、あっさりと敵を倒したりもする。皆が自分の目的のために動き出すのだがうまくいかない。ロシア人対アビーとトニーコンビの対決は見ものだ。
秀逸なのは追い込まれたターキッシュとミッキーが最後の試合でも八百長の約束を守らずに、試合に勝ってしまう部分だ。その後、あとはマフィアに狙われるだけの状態になりながら…。それまで死体を豚に食べさせると、圧倒的な恐怖感で相手を支配していたノミ屋のボスが、あっさりと流浪民たちにやられていく。
ターキッシュとしては、驚きしかない。手がかりを求めるために流浪民のキャンプへ向かうが、そこには何もない。恐怖で支配してきた男をあっさりとはじき返す展開が良い。
アビーは不死身のトニーを雇ってロシア人に苦戦しながらもダイヤを手に入れることに成功した。かと思いきや、ダイヤを犬が飲み込み、その犬がどこかへ行ってしまう。犬を撃ち殺そうとアビーは銃を連射するのだが…。
それまで圧倒的な力で不死身感をアピールしていたトニーがあっさりと流れ弾で死んでしまうのは面白でしかない。ボロボロのアビーはロンドンに懲りた表情でNYへ戻る。そして、流浪民のキャンプで犬を見つけたターキッシュたちが、巨大なダイヤを手にする幸運を得る。
ところどころにちりばめられた伏線がしっかり回収されているのが良い。
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