自由対談 


 2023.5.29      中村文則の内面がわかる対談集 【自由対談】

                     
自由対談 [ 中村文則 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
中村文則がデビューから実施してきた対談をまとめた作品。小説のイメージどおり、対談だけ読むと気難しい作者のように感じられた。様々なジャンルの人たちとの対談集で、とりわけドフトエスキーの研究者との対談が大部分を占めている。それ以外には、作者の作品の映画化に合わせて、映画に出演した俳優たちとの対談もある。原作者はキャスティングに口出しできないのだろうが、自分のイメージと異なる俳優がキャスティングされた場合はどんな反応を示すのだろうか。

社会問題に対しても対談している。高校時代までは暗い性格であった作者は、小説家として成功しなければどんな人物になっていたのだろうか。中々に個性的な扱いずらい人物になっていそうだ。

■ストーリー
デビュー20周年を迎える中村文則、待望の初対談集!文学から映画・音楽、社会問題・テクノロジーまで、縦横無尽に33名と語り尽くす、36本の自由空間!

■感想
俳優との対談は興味深い。その対談で「銃」などが映画化されていることを知って驚いた。特殊な小説をどのように映画化したのか。俳優や映画監督たちとの対談を読んでいると、映画を見たくなってくる。玉木宏や綾野剛など、独特な癖のある俳優を使い映画化する。

作者の作品はバックグラウンドは暗いので俳優の雰囲気に合っているように思えた。「教団X」は宗教を描いた強烈な作品であり、作者の作品の中で一番有名な作品かもしれないが、自分が一番好きな「銃」が映画化されたのを知り、非常に興味をもった。

作家との対談もある。印象的なのは西加奈子との対談だ。自分も西加奈子の作品を読んでいる。実は作者と西加奈子が同級生であり、自分とも世代が近いことに驚いた。それぞれがどのようにしてデビューしその後、どのような作家生活を送ってきたか。

西加奈子と中村文則とでは明らかに作風が異なっている。そんなふたりが親しげに対談しているのは意外でしかない。その他、芸人であり教団Xがヒットするきっかけになったような人物である又吉との対談も印象深い。

社会問題や文学についての対談もある。オウム真理教の事件を彷彿とさせる教団Xの作者だけに、そのあたりの部分についての対談もある。悪に対する作品を描く作家との対談もある。作者の作品は悪に対する描き方が独特であるため、それなりにインパクトのある対談となっている。

作者がドストエフスキーの知識が豊富ということに驚いた。自分は有名作品しか読んだことがないのだが…。ドストエフスキーの研究者と対談できる程、知識があり作品を読み込んでいたということだ。

中村文則の内面がわかる対談集だ。



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