2022.6.2 謎の新生物を中学生だけで育てるのは無謀だ 【医学のひよこ】
医学のひよこ [ 海堂尊 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
「医学のたまご」の続編的作品。STAP細胞の騒動を描いたような前作から、今回は謎の新生物を発見し、その新種の生物がまるで巨大な赤ちゃんのような風貌ということで「いのち」と名付け、中学生たちが世話をする。物語としては、「バチスタシリーズ」のキャラたちが登場し、中学生たちとの交流も描かれている。特に出世した田口が登場したりとシリーズを読んでいる人にとっては楽しめる要素がある。
本作単体として読むと、中途半端な状態で終わっているので続編が気になってしまう。中学生たちが洞窟の中で巨大なたまごを見つけてしまう。そのたまごが孵化すると、巨大な赤ちゃんのようだが排泄機能や性器のない生物が生まれてくる。どのようなオチとするかは気になるところだ。
■ストーリー
ひょんなことから東城大医学部に通うことになった、生物オタクの中学3年生・曾根崎薫。仲間たちと洞穴を探検していると見たこともない巨大な「たまご」を発見する。大事に育てようとする薫たちの前に立ちはだかったのは、動物実験を目論む研究者と日本政府だった。薫たちは、おとなたちの謀略から大切なモノを守り切れるのか? <いのち>を巡る大冒険、開幕!
■感想
バチスタシリーズではおなじみの田口、高階、白鳥などが登場してくる。中学生たちが洞窟で謎のたまごを発見しそれを育てる。東城大医学部の施設を使い観察を続けるのだが…。前作から続く物語ではあるが、相変わらず中学生が飛び級で医学部に入るなんていうとんでもない展開は続いてく。
スーパー高校生が登場したりもする。前作がSTAP細胞騒ぎをマネたような展開となっていた。本作も、それに似たような展開なのかもしれない。新種の生物を発見したのか。それは続編に描かれることだろう。
たまごから「いのち」が生まれ赤ちゃんのようなそぶりをする。中学生が母親代わりとなりいのちをあやす。東城大としては、新種を発見し論文を投稿し手柄をたてようとするのだが、総理大臣が介入しいのちを政府の施設へ移設しようとする。
そもそもが、世紀の新生物を発見した場合は、すぐさまマスコミに伝えるものでは?と思ってしまった。大学内でひっそりと観察し研究する。下手をすれば動物実験のようなことをされる可能性すらある。
このシリーズは中学生たちが主役ということで、わかりやすい描かれ方をしている。バチスタシリーズのファンであればよく知るキャラが登場するので楽しめるだろう。今のバチスタシリーズから何年も経った後を描いているだろう。
出世した田口は大学内の問題を仕切る。本作ではロジカルモンスターである白鳥は少し文科省の役人に押され気味となる。いのちを手に入れるための駆け引きが続けられ、最終的には総理大臣の力ですべてを強引にもっていかれたような感じだ。
否が応でも続編の展開がきになる作品だ。
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