2023.3.21 どうにも感情移入できない【劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン】
劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
評価:2.5
■ヒトコト感想
このシリーズはTV版の総集編や外伝を見たことがある。泣けるという触れ込みがあり、それなりに感動はしたのだが…。どうにもハマり切れなかった。泣かせようというのが見え見えで、人の死を泣かせる材料とするのはありきたりすぎて覚めてしまった。代筆業として死にゆく幼い子供が両親や弟に対して手紙の代筆を依頼する。
TV版では母親が娘に対して自分が死んでから毎年手紙を送る、という流れがあった。若くして死ぬ者が残された者へ手紙を書く。多種多様な作品で使い古された手法なため、冷静な目で見てしまった。そして、ヴァイオレットと少佐との出会いについても、特別な感動はなく逆に冷めた感じになってしまったのは自分だけだろうか。
■ストーリー
代筆業に従事する彼女の名は、〈ヴァイオレット・エヴァーガーデン〉。幼い頃から兵士として戦い、心を育む機会が与えられなかった彼女は、大切な上官〈ギルベルト・ブーゲンビリア〉が残した言葉が理解できなかった。戦争が終結して数年。ヴァイオレットはどこかでギルベルトが生きていると信じ彼を想う日々を過ごす。ある日、彼の兄ディートフリート大佐と鉢合わせる。彼はギルベルトを忘れるべきだと訴えるがヴィオレットは…。
■感想
TV版は感動というよりはその絵のキレイさに驚いた。丁寧に描かれており、感動というよりは美しさが印象に残っている。基本的なパターンは変わらない。手紙の代筆を行うヴァイオレットが、様々な人の依頼をこなす。今回は余命わずかな少年ユリスのエピソードとヴァイオレットを育てた少佐との関係が描かれている。
ユリスのエピソードは、入院中のユリスが両親や弟に自分が死んだあとに渡す手紙をヴァイオレットに依頼するという流れだ。まだ元気なころのユリスの強がりが多少泣けてくる部分はあるが…。それ以外は定番すぎて冷めてしまった。
ユリスは強がっており、親友がお見舞いに来ることを拒否したりもする。そんな強がりが見えれば見えるほど、確かに悲しみは増す。ラストではユリスがガリガリになり危篤となる。そこで両親にあてた手紙や弟に対する手紙で涙を誘う流れなのだろう。
親友が駆けつける場面は確かにジーンとくるのだが…。若者の死は理不尽で、そのことを覚悟しているユリスの心境を思うと心が痛くなる。ただ、この手のパターンは使い古されているので、いまさら感動することはない。
ヴァイオレットは、死んだと思われた少佐と再会する。これもまったくといってよいほど感動しなかった。なんだろう。人物に感情移入できないというか…。すべてが嘘くさく、がっつりとした作り物に感じてしまう。全員が良い人すぎるというのもあるのだろうが…。
ヴァイオレットを拒否する少佐と、それを覚悟するヴァイオレット。世間は感動でむせび泣いたらしいのだが、自分はまったく感動しなかった。どういう展開になるのか予想でき、そして1ミリも泣けなかった。
世間とは真逆の反応なのだろうか。
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