2022.2.19 確かに泣ける要素はあるのだが…【ヴァイオレット・エヴァーガーデン 特別編集版】
ヴァイオレット・エヴァーガーデン1~4[ 石川由依 ]
評価:3
■ヒトコト感想
感動すると話題となったアニメの特別編集版。連続アニメを編集したので、かなり端折られているはずだが、違和感なく楽しむことができた。ただ、感動できるかというと…。事前の触れ込みが大きすぎたために、多少身構えて見てしまったのもあったのだろう。そこまで感動できなかった。どこかで見たことのあるストーリであり、先が予想できた。
確かに絵柄はすばらしくキレイなのだが、感動するということはない。ヴァイオレットの声もなんだか気になってしまった。大きく分けて二つのエピソードにヴァイオレットが関わっていく。ヴァイオレットの書く手紙が相手を感動させるのだろうが。。ヴァイオレットはおまけでしかない。ヴァイオレットでなければならない理由はない。
■ストーリー
とある大陸の、とある時代。大陸を南北に分断した大戦は終結し、世の中は平和へ向かう気運に満ちていた。戦時中、軍人として戦ったヴァイオレット・エヴァーガーデンは、軍を離れ大きな港町へ来ていた。戦場で大切な人から別れ際に告げられた「ある言葉」を胸に抱えたまま――。街は人々の活気にあふれ、ガス灯が並ぶ街路にはトラムが行き交っている。ヴァイオレットは、この街で「手紙を代筆する仕事」に出会う。
それは、依頼人の想いを汲み取って言葉にする仕事。彼女は依頼人とまっすぐに向き合い、相手の心の奥底にある素直な気持ちにふれる。そして、ヴァイオレットは手紙を書くたびに、あの日告げられた言葉の意味に近づいていく。
■感想
戦うために存在したヴァイオレット。両手が義手となったヴァイオレットが新たな人生をきり開くために動き出す。ヴァイオレットのキャラとしては寡黙で世間知らず。相手の思いをくみ取ることが苦手なまさにロボットのようなタイプだ。
美しい容姿があるからこそ、より作り物のようにも見えてくる。そんなバイオレットが手紙を代筆する仕事を通して変わっていく。前半はヴァイオレットがどのような境遇にあり、手紙を代筆する学校へと通うことになるかがわかる。学校での無機質なヴァイオレットの対応は面白ポイントでもある。
本作は泣ける作品ということで有名であった。その触れ込みのとおり、確かに泣けるポイントはあった。人間味のないヴァイオレットが手紙を代筆する行為を通して変わっていく。ヴァイオレットがドール(代筆家)として一人前になるまでが少しコメディチックに描かれている。
メインはラストのエピソードなのだろう。裕福な母親と小さな娘のふたり家族。そこに病気がちな母親の代わりにヴァイオレットが手紙を代筆する。娘が母親を独り占めするヴァイオレットに嫌悪感をいだきつつ、いつの間にか仲良く遊んでいるのが良い。
母親と遊びたい娘は文句を言う。この時点でどのような結末かは想定できる。そして、わかってはいても泣けるのだろう。母親は自分の余命を理解し、娘の成長に合わせて未来の手紙をヴァイオレットに書かせていた。母親を失った娘には誕生日ごとに母親から手紙が届く。
正直、どこかで読んだことのあるストーリーだ。先が想定できていたので泣けなかった。絵柄のキレイさは確かにすばらしいのだが、それと泣けるかは別のように感じられた。
事前に期待感を高めすぎたというのもあるが、全く泣けなかった。
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