ドクター・スリープ 上 


 2024.2.9      超能力バトルの前哨戦 【ドクター・スリープ 上】


                     
ドクター・スリープ 上 (文春文庫) [ スティーヴン・キング ]
評価:3
スティーヴン・キングおすすめランキング
■ヒトコト感想
本作を映画化した作品である「ドクター・スリープ」はすでに見ていた。そこで映画版での野球少年から命気を吸い取る場面がかなり強烈な印象として残っていた。また、登場人物についてもコリポレの影響だろうかアブラーが黒人の少女になっていたり、言葉で相手に催眠を仕掛ける女も少女となっている。ただ、原作ならでわの濃密な展開が良い。

ダンの少年時代のトラウマと、その後の生活。そして、アブラーが幼少期から苦悩しながら生活し、その能力の強さから早いうちにシルクハットの女に目をつけられていたこと。アブラーとダンが出会う場面も強烈だ。映画版は2時間という枠組みの中で、かなり駆け足で表現されていたというのがよくわかる。

■ストーリー
冬季閉鎖中のホテルで起きた惨劇から30年。超能力“かがやき”をもつかつての少年ダンは、大人になった今も過去に苦しみながら、ホスピスで働いていた。ある日、彼の元に奇妙なメッセージが届く。差出人は同じ“かがやき”をもつ少女。その出会いが新たな惨劇の扉を開いた。

■感想
超能力を”かがやき”という言葉で表現している。ダンはかがやきがあったために、様々なトラウマ級の出来事を経験する。「シャイニング」の続編として描かれていた本作。少年ダンが大人となり、それでも様々な悪霊に悩まされたり、知りたくもない情報を知ってしまう場合がある。

介護施設の職員をしているダンだが、死期の近い者を素早く察知してしまう。それは超能力というよりも動物的な何かのようにすら思えてくる。ダンはそこまで強いかがやきをもっているわけではない。少女アブラーのかがやきに比べたら。

かがやきを持つ者から命気を吸い取る者たちがいる。それは命気を大事な食糧としているので、止めることはできない。RV車でアメリカ中を移動しながら行く先々でかがやきの強い者から命気を吸い取る。その際の儀式としては相手に強く悲鳴や苦痛を与えることで強い命気を吸い取ることができる。

まさに残酷この上ない方法で野球少年を殺害するグループ。それをひそかに能力で見ていた者がいた。それはアブラーだった。ここからアブラーとグループのリーダーであるシルクハットの女の因縁が始まる。

シルクハットの女のグループには仲間をスカウトしたりもする。映画版ではかわいらしい少女だったのだが、本作では普通の女となっている。言葉で相手に催眠をかける。そのほかグループのメンバーはシルクハットの女ほどではないが強い能力をもっている。

アブラーが群を抜いて強い命気をもっているので、シルクハットの女はいつでもアブラーの居場所を探しだすことができる。アブラーとダンのコンビがシルクハットの女たちと対決する後編は楽しみで仕方がない。

濃密な超能力バトルが繰り広げられることだろう。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
*yahoo.co.jp