天空の矢はどこへ? 


 2019.1.4      AIは地球に害をなす人間を排除する? 【天空の矢はどこへ?】
                     
天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow? (講談社タイガ) [ 森 博嗣 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
ウォーカロンシリーズ。今回もまた高度なAIが存在する世界で、人間とAIの関係が描かれている。ウォーカロン工場がAIに占拠された。となると、AI同士の対決となる。物理的に人間が入り込んだとしても、あっさりと排除されてしまう。AIが相手ならば、常に何歩先までも予言され、人間に勝ち目がないようにも思われる。

ウォーカロンメーカーの社長たちが乗った飛行機が行方不明となるなど、きな臭い動きが続く本作。それらすべてはAIと人間の関係の行きつく先と言い換えることもできる。AIからすると人間は地球に住む生物の中では最も地球に害を与える存在なのかもしれない。となると、AIが人間を排除する方向に動くのも当然のことだろう。

■ストーリー
カイロ発ホノルル行き。エア・アフリカンの旅客機が、乗員乗客200名を乗せたまま消息を絶った。乗客には、日本唯一のウォーカロン・メーカ、イシカワの社長ほか関係者が多数含まれていた。時を同じくして、九州のアソにあるイシカワの開発施設が、武力集団に占拠された。膠着した事態を打開するため、情報局はウグイ、ハギリらを派遣する。知性が追懐する忘却と回帰の物語。

■感想
国内のウォーカロンメーカのイシカワの開発施設が占拠された。主人公のハギリは人間ではあるが、頭の中は常に合理的な思考に満たされている。イシカワの施設を奪還するために、警察のロボやウォーカロンを送り込むのだが、ことごとく戻ってこない。

このイシカワの建物にはどんな仕掛けがあるのだろうか。人工知能に占拠された建物は、人間を建物から排除したいからしたということなのだろう。人間のようにウォーカロンを子供として育てたいなど、近未来の欲望が本作には詰まっている。

イシカワの社長たちが乗った飛行機が行方不明となる。事故としてはりえない状況であるため意図的なにおいを感じるハギリ。AIが全ての判断をする場合は、人間は太刀打ちできないだろう。AIを止めるには電源の供給をストップするしかない。

ネットを切断したとしてもスタンドアロンで動き回る。AIが立てこもりを始めたとしたら、自由に動くウォーカロンを操作し躊躇なく相手を殺害できる能力がある。すべてにおいて、人間がウォーカロンに勝てる要素がないのは確かだろう。

ウォーカロンが人間と変わらなくなり、見分ける方法は高度な技術が必要となる。となると、人間とウォーカロンを分ける必要はないのでは?と思わずにはいられない。国家の重大事項にもかかわっているAI。時の総理がアドバイスをもらうためにAIを活用したりもする。

空恐ろしくなるのは、AIが全てをシミュレートし、最終的に地球が生き残るためにはどうすればよいかを期待し始めた場合、真っ先に排除されるのは間違いなく人間だろう

よりAIの高度さが増していくシリーズだ。



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