2018.3.24 魔法少女と刑事のラブコメミステリー 【魔法使いと刑事たちの夏】
魔法使いと刑事たちの夏/東川篤哉
評価:2.5
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■ヒトコト感想
前作と同様にパターンは変わらない。狂言回し役の小山田刑事が上司の女刑事に憧れながら魔法少女の助けを借りて事件を解決する。魔法少女のマリィは、小山田に好意をもっているのだろう。小山田は上司に目が釘付けとなる。基本パターンは同じで、魔法で犯人がいきなり自白することから、後追いで犯人を追いつめる証拠を探し出す。
マリィが小山田邸に押し掛け家政婦のようなことをする。事件に首を突っ込むパターンもマリィが勝手に飲み物などに魔法をかけ、相手を自白させる。当然、それだけでは犯人逮捕にいたらないので、証拠集めをする。ミステリーとしての不思議さはないのだが、魔法で自白させてから、本当の自白にまで持ち込む部分がポイントかもしれない。
■ストーリー
小山田邸で家政婦として働くことになったマリィ。家事をしながら、聡介の持ち帰る事件に首を突っ込む。「また殺人事件? 犯人が誰かぐらいは、魔法で教えてあげられるわよ」「いや遠慮する。いつまでも怪しげな魔法に頼ってばかりじゃ、刑事として情けない」拒絶されながらも聡介のために箒で奔走するマリィ。そして、マリィの三つ編みが青白く光るとき、かならず騒動が……!
■感想
ミステリーであり、魔法少女が魔法で犯人を自白させる。そんな物語がミステリーとして成立するとは思えない。が、さすが「謎解きはディナーの後で」の作者なので、この手のキャラモノミステリーはおてのものかもしれない。
犯人が自白してからは、毎回小山田と犯人の追いかけっこが始まり、そこでもマリィが魔法で解決するというパターンが確立されている。この流れがドタバタギャグ漫画的であり、受け入れられない人にとっては、腹立つ流れかもしれない。
マリィが実施する魔法は誰でも彼でも犯人と思わしき男に自白させてしまう。本人の意思とは無関係なので、突拍子もないことを口走っていることになる。こんな状態で「自分は犯人だ」と自白したとしても、それは当然ながら証拠にはならない。
ただ、犯人としては自白した自覚はある。このパターンがなんとも不思議だ。そこから犯人逮捕へと繋げるロジックも、それなりにインパクトがあるのは間違いない。ある程度不自然なロジックであっても、強引に犯人に観念させるような流れとなっている。
小山田は上司の女刑事に恋をしている。マリィは小山田に好意を抱いているようにも思えるのだが…。この奇妙なラブコメ風味が若干付け加えられている。マリィが明らかなロリキャラであり、小山田は大人っぽい女性が好みだという流れだ。
シリーズ化しているようだが、魔法で最初に犯人をあばいてしまうというパターンは新しいのだが、それだけだと少し辛いように思えた。パターン化しているので、安心して読めるのだろうが、飽きられないかが心配だ。
このシリーズがどこまで続くかが気になるところだ。
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