クロッシング


 2021.2.13      3人の警官のそれぞれの事情【クロッシング】

                     
クロッシング
評価:3.5

■ヒトコト感想
3人の警官が主人公の本作。警官それぞれの物語があり、ニアミスをする。「スナッチ」「クラッシュ」のように複数の別のエピソードが並行して流れていき、最後につながっていくパターンだ。警官それぞれに悩みがある。家族が増え引越しを考えてはいるが金がない麻薬捜査官のナル。退職目前で余計なことに首を突っ込まず平穏無事に定年を迎えたいベテラン警官のエディ。

潜入捜査官として危険な任務についているが、潜入先のターゲットとの友情と警官としての仕事の板挟みになるタンゴ。ラストではそれぞれが思い切った行動にでるのだが、うまくいかない。金がなく押し入った麻薬組織の金に手をつけるかどうか悩むナルの状況がかなり追い込まれた感が強い。

■ストーリー
ニューヨークの犯罪多発地区ブルックリンで働く、退職目前のベテラン警官エディ、麻薬捜査官のサル、危険な潜入捜査官の任務に就くタンゴの3人の刑事たちを通して、正義の在り方を問うクライム・サスペンス×アクション。

■感想
サルのエピソードは強烈だ。麻薬取締官としての給料は安い。家庭では新たに双子が生まれようとしている。サルの妻は住んでいる場所の問題で病気になる。いち早く新居へ引越したいのだが、金がない。どこからか金の催促があり必死で言い訳しているサルはみじめだ。

麻薬組織へ押し入り犯人たちを逮捕するのだが、サルの目のまえには大金が転がっている。サルがその目の前の大金に手をだすのは時間の問題かと思わえたのだが…。サルの八方ふさがり具合はすさまじい。

潜入捜査官のタンゴは、見た目は悪人そのままだが、実は刑事だった。麻薬組織に入り込んだタンゴは組織のボスと親友関係になる。数々の麻薬取引の情報を警察に流してきたタンゴだったのだが…。刑事に戻ることを条件として潜入捜査を続けてきた。

最後の仕事であるボスを逮捕させる仕事を拒否するタンゴ。ここへきてタンゴは潜入捜査先の仲間に対して情がわき、逮捕させることができない。タンゴの苦しみは続き、そこから別の要因でボスが仲間に射殺されてしまう。タンゴの苦悩は深まり、ある行動にでる。タンゴの状況は衝撃的だ。

エディは新人警官の教育係をめんどくさそうに受け入れる。仕事にはマジメだが決して余計なことをしないタイプの警官だ。無事に定年を迎えることだけを考えるエディ。若く血気盛んな新人が先走りそうになるのをいさめたりもする。

ここまではやる気のない警官かと思えたのだが…。新人警官の暴走で市民に発砲したりと様々なトラブルが起こる。エディは家族のいない天涯孤独のような状態だ。そんな男が定年後の最後の最後に家出した少女を助けるために危険なビルへ入り込む。

ラストで3人がニアミスするのが最も印象に残っている。



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