機動戦士ZガンダムⅢ 星の鼓動は愛


 2021.7.10      オリジナルと異なるラストはどうなのか…【機動戦士ZガンダムⅢ 星の鼓動は愛】

                     
機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛 /富野由悠季
評価:3

■ヒトコト感想
前回でハマーンが登場し、より物語は複雑となる。エウーゴ、ティターンズ、アクシズ。その中でも、ティターンズはジャミトフ派とシロッコ派に分かれ非常に複雑となる。この複雑さをTVシリーズをまとめた映画版として理解するのは難しいだろう。自分の場合はTVシリーズを見ていたので違和感なく楽しめたのだが…。

本作で一番の驚きはラストがTVシリーズと異なるということだ。ラストのカミーユとシロッコの対決で、カミーユはシロッコを倒すのだが…。精神崩壊してしまう。本作はいかにもなハッピーエンドとなっている。途中で、重要なキャラが次々と死んでいくのだが、それらのシーンもカットされているのは気になった。ただ、映像的に作り直された部分が素晴らしいのは間違いない。

■ストーリー
85年から1年間オンエアされた『機動戦士ガンダム』の続編を、テレビとは異なる結末を見せることを前提に再構築した映画版3部作の完結篇。エウーゴとティターンズの地球をめぐる内戦に旧ジオン軍アクシズが新たに加わり、三つ巴の戦いが繰り広げられていく中、主人公の少年カミーユは過酷な戦闘で心傷つきながらも確実に成長していく。TV版では悲劇に終わった彼の顛末も、映画版では一見予想されうるハッピーエンドを迎える。

■感想
三部作の最終回。Zガンダムの良い部分がよく出ているが、時間的な制約のためか、ストーリーを追いかけるのが辛いのは間違いない。特に重要なシーンを泣く泣くカットしているのだろう。クワトロの演説シーンや、ロザミアの死ぬシーンまでもがカットされている。

にもかかわらず、ラストのシロッコとの闘いのシーンでは、カミーユをサポートする幽体としてロザミアはしっかりと登場してくる。今見ても十分楽しめるのだが、あっさりと主要キャラが死ぬのはファーストガンダムにはない展開だろう。

Zガンダムの特徴としてはモビルスーツが次々と新しくなっていく部分だ。特にティターンズ側ではジェリドが乗るモビルスーツが見るたびに変わっている。ジェリドはエースパイロットとして最新機種が与えられたのだろうが、すぐにZガンダムにやられてしまう。

ファーストガンダムのイメージからすると、このエウーゴよりも明らかにティターンズの方がモビルスーツについては恵まれている。映像的にも書き直されておりバウンドドッグなどが最新の映像で動くシーンは感動すら覚えてしまう。

カミーユとシロッコとのラストの対決。その前段ではシロッコとハマーンの戦いがあるなど、戦闘シーンいは今までになく力をいれているのがわかる。力をすべて戦闘シーンにそそいだために、ストーリー的に整合性がとれなくなった可能性すらある。

そして、一番賛否があるであろう、ラストのカミーユの状態はどうなのだろうか。シロッコという強敵を倒したは良いが、シロッコの呪いにより精神崩壊するカミーユ。これにより戦いの過酷さが描かれていたのだが…。本作のラストがあまりに明るい終わり方なのには驚いた。

この結末をオリジナルファンはどう思うのだろうか。。



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