カイジ ファイナルゲーム


 2021.4.7      カイジらしくないゲーム【カイジ ファイナルゲーム】

                     
カイジ ファイナルゲーム [ 藤原竜也 ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
カイジシリーズは全て見てきた。2までは原作マンガを読んでいたので面白さが理解できた。ファイナルゲームについては原作マンガを読んでいないので、違和感をもった。展開があまりに早すぎて、よくわからないまま、バベルの塔に入りそこでチャンスを手にしたカイジが人間秤に参加することになる。

カイジシリーズの面白さは挑戦するゲームの面白さがすべてなのだろう。今回のゲームは結局のところ様々な人脈でどれだけ金を集めることができるかにかかっている。金をたくさん集めた者が勝つゲームだ。そこに戦略性はない。その後のゲームでバンジージャンプやいつものジャンケンがある。それらも前作などと比べると特殊さが薄れた気がした。

■ストーリー
2020 年、国を挙げて盛大に開かれた東京オリンピックの終了を機に、この国の景気は恐ろしい速さで失速していった。今この国では、金を持つ強者だけが生き残り、金のない弱者は簡単に踏みつぶされ、身を寄せ合うことで何とか今を生きていた―。自堕落な生活を送っていたカイジは、派遣会社からクズと罵られ、薄っぺらい給料袋を手渡される。憤りを感じながらも一缶千円に値上がりしたビールを買うかどうか迷っていた。「久しぶりだね、カイジくん」「ハンチョウ?」声をかけてきたのはスーツに身を包んだ大槻だった。

帝愛グループ企業のひとつを任される社長に出世したという。「カイジくん。君もこんなところでくすぶっているタマじゃないだろ?」「何が言いたいんだ?」「実はワシと組まないかと思ってね」大槻が見せたのは一枚のチラシだった。【第5回若者救済イベント開催!バベルの塔】金を持て余した大金持ちの老人が主催するイベントで、一攫千金のチャンスだ。「こんなもの無理だ!運否天賦のゲームで作戦の立てようもない」「その通りだよ。だが裏を返せば、カラクリがわかっていれば勝てる可能性があるわけだ……」ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…運命の歯車は動き出した。カイジを待ち受ける未来は天国か地獄か?日本中を奮い立たせる最後のギャンブルが今始まる―

■感想
前作では沼という強烈なパチンコ台での勝負となった。本作ではまたまたカイジが様々なゲームに挑戦する。いきなりバベルの塔での一攫千金を狙う。これに関してはほとんど意味はない。ただ、カードを手に入れるだけのゲームだ。

そこから資産家の東堂と出会い、帝愛の黒崎と戦うことになる。それぞれが持つ資産を金に代え、それを秤にのせて重い方が勝つ。仲間の資金提供や観戦者たちが自分の金をどちらに賭けるかにより秤の重さが変わってくる。戦略がほぼ必要のないゲームだ。

結局のところ、事前にどれだけ裏工作ができているかによって結果が変わる。東堂を助けるために参加したカイジだったのだが…。カイジとしての戦略は他の部分で生きている。非常に単純なゲームが続き、最後にはラスボス扱いである高倉との対決となる。

ここで、必殺のジャンケンゲームが始まる。グーを出すときだけ、手の中に金を握りこんで自分のものにすることができる。必ずグーを一度でもださなければならないというのがポイントだろう。ただ、早い段階でトリックは想像できた。

カイジシリーズの強烈なインパクトはない。今までのシリーズでは緊迫感あふれるゲームとなっていたが、本作ではそれほどシリアスな感じではない。敵キャラである黒崎は良い味をだしており、そのやれれっぷりもよい。日本の借金を清算するために、預金封鎖をして新貨幣を発行するというとんでもないことをやろうとする高倉。

私利私欲のためでなく日本のことを考えての行動らしいのだが…。ラストの展開はあまりにカイジが先の先まで読んで行動しているので、カイジらしくない。

強烈なインパクトはないのだが、カイジシリーズとしての雰囲気はある。



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