カイジ2 人生奪回ゲーム


 2014.7.10     金を飲み込み続ける沼 【カイジ2 人生奪回ゲーム】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
前作と同じく、かなり駆け足に感じた。が、前作は様々なゲームが詰め込まれていたが、本作は「沼」にだけ焦点が当てられているので、逆にテンポよく感じられた。カイジがまた地下へと落ち、そこから沼に挑戦するまではかなり駆け足だが、まったく問題ない。沼攻略のためのプロセスをワクワクしながら楽しめた。

小さな攻略法から大掛かりな仕掛けまで、様々な方法で沼に挑戦する。うまくいきそうなところで、必ず邪魔が入り攻略できない。さすがにここまでくれば、と思いつつも、最後の一押しが足りない。この最後の熱戦を描きたいがために、序盤を簡略化したのだろう。映画作品としてはまったく間違いのない流れだ。

■ストーリー

数々の命懸けのゲームに勝利し、多額の借金を帳消しにした伊藤カイジ(藤原竜也)。まさに人生の逆転を果たしたと思いきや、1年も経たないうちに、またしても借金まみれの「負け組」に。再逆転を目指すカイジが今回挑むのは、当たれば10億円以上稼げるモンスターマシーン、通称“沼”。ただでさえ難攻不落の“沼”を、更に100%攻略不可能なようにコントロールしているのは、裏カジノの若き支配人・一条聖也(伊勢谷友介)。

■感想
カイジは仲間を地下から救出するため、パチンコの玉ひとつが千円のモンスターマシンに挑戦する。1千万もの金が数十分で飲まれてしまう底なしの沼。あっという間に、金が消費されていく様はまさに強烈なインパクトがある。

1千万借金し、それが、湯水のように減っていく様は、恐怖でしかない。沼の映像と、そこに座りひたすら玉をはじき続ける男の悲壮感は相当なものがある。沼の恐怖は十分に表現されており、これをどのようにしてカイジたちが攻略するのか、物語の一番の山場であることは間違いない。

騙し騙されの連続は、すでにこのシリーズの定番だ。完璧な計画の元に、沼を完全に攻略したと思いきや、あと少しのところで邪魔される。何段階にもわたり、攻略法を試すが何かしらの邪魔がはいる。逆に絶体絶命と思いきや、実は別の手がある。

カイジのテンパった表情と、圧倒的に有利な立場にいる一條の必死の形相が、物語をより緊迫感あふれる状況へと変化させている。あの利根川がボロを着てカイジと協力すること自体が、前作を見ていた人にとってはワクワクしてくるだろう。

沼を攻略し、見事大金を手に入れたかと思いきや、最後はやはりカイジらしい流れだ。原作はかなり長期に渡り連載されており、進みが遅い印象があったが、映像化されかなりスピーディーでテンポよく進んだので、すっきりとした印象を残している。

勝ち負けというより、最後の沼の攻防はまさに手に汗握る展開だ。マンガ的な演出もさることながら、キャラクターたちがインパクトのある言葉を口にするのが、妙に印象に残るのは前作と同様だ。

沼の、金を吸い尽くす描写は強烈すぎる。



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