ジャッキー/ファーストレディー 最後の使命


 2018.12.16      夫の功績を守る未亡人 【ジャッキー/ファーストレディー 最後の使命】

                     
ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命 [ ナタリー・ポートマン ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
ケネディ大統領が暗殺されてから葬儀が行われるまで、ケネディの妻であるジャッキーを描いた作品。リアルな映像を交えながらジャッキーの苦悩が描かれている。ちょうど、暗殺事件後を描いた作品として「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」を見た。その作品と視点は異なるのだが、同じ事件を中心にすえたことにより、その対比は見ていて面白かった。

本作ではジャッキーの、ファーストレディーとしてのプライドが強烈に描かれている。インタビューを受けながらも、ケネディの名前が後世に語り継がれるかを考え、自分の行動を律している。ここまで強烈な考えをもっているとは思わなかった。ジャッキーがどのようにして変化していくのかが物語のポイントだ。

■ストーリー
1963年11月22日、ジョン・F・ケネディ大統領は、テキサス州ダラスでのパレードの最中に銃撃される。目の前で愛する夫を暗殺されたファーストレディのジャッキーは、怒りと衝撃に震えていたが、悲しんでいる時間はなかった。

すぐに副大統領が新たな大統領に就任して激務を引き継ぎ、刻一刻と夫が過去の人になっていくのを目の当たりにしたジャッキーは、彼の名前と功績が後世に残るかどうかは、この数日間の自分の行動にかかっていると気付いたのだ。自らの手で築き上げてきた〈ケネディ伝説〉を永遠にするために、ジャッキーは命の危険さえも顧みず、最後の使命に身を投じる──

■感想
ケネディ暗殺の瞬間、隣に座っていたジャッキーの衝撃はすさまじいものなのだろう。夫が暗殺された瞬間、ジャッキーの人生は大きく変わる。アメリカの大統領にまで登りつめた男が、暗殺された瞬間に過去の人になる。それをただ傍観することしかできないジャッキーの苦悩が描かれている。

ジャッキーは顔中を血まみれにしたまま気丈にふるまう。暗殺された瞬間からSPを乗せたまま道路を疾走する。その後、大統領専用機で移動するのだが…。このあたりは「パークランド~」の印象が強い。

オール・ザ・ウェイ JFKを継いだ男」では、ケネディ死後のジョンソンの苦悩が描かれているが、本作ではジャッキーから見たジョンソン夫妻が描かれている。このあたりの対比も面白い。ジャッキーからすると、夫の功績を後世にまで残したいという強い思いが、ジョンソン夫妻に対する強い視線になっているのだろう。

子供たちを守りつつ、ケネディのすごさをアピールする。SPに対しての強いあたりや、インタビューアに対する対応まで、ジャッキーの強さというものが強烈な印象として残っている。

小さい子供と共にメディアの前に登場し、夫を失い気丈にふるまう妻を演じるジャッキー。官邸を引っ越すシーンやラストの葬儀のシーンにしても、ジャッキーの強さが強烈な印象として残っている。普通の妻ならばふさぎこみ、どれだけ気丈にふるまったとしても、ジャッキーのようにはなれないだろう。

のちのインタビューで語るのは、勝気な印象しかない。ただ、ジャッキーのその後の行動が、ケネディの死を全世界に伝えるにあたり、効果的だったのは間違いないだろう。

ジャッキーの芯の強さが、強烈な印象として残っている。



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