パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間


 2017.10.16      撮影者が最も気の毒だ 【パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間】

                     
パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間
評価:3

■ヒトコト感想
ケネディ暗殺の瞬間から、その後までの4日間を描いている。ケネディが暗殺されたドタバタをケネディが運び込まれた病院やシークレットサービス、オズワルドの家族やFBIなどの目線で描かれている。真犯人がどうだとか、陰謀がどうだとかというミステリアスな展開はない。ただ、すさまじいドタバタが描かれている。

偶然にカメラを回しており、暗殺の瞬間を撮ってしまった男は、騒動に巻き込まれてしまう。多くの人の運命をかえた瞬間。誰もが、どこかで責任を回避するような行動をとる。世界で最も重要な人物が暗殺されたという言葉がすべてを物語っているのだろう。極限状態の中で、人はどのような行動をとるのかがよくわかる。

■ストーリー
1963年11月22日、全世界に激震が走る。テキサス州ダラスでパレード中のケネディ大統領が、銃で狙撃された。ケネディはジャクリーン夫人に抱えられ、パークランド・メモリアル病院に運び込まれる。騒然となる現場。誰もが助からないとわかりながらも、医師たちは最後まで懸命な救命処置を行った。

当直医師やナース、警護をしていたシークレットサービスのチーフ、偶然事件映像を撮影していた男、容疑者をマークしていたはずのFBI 、瞬時に国を委ねられたジョンソン副大統領・・・あの日、あの事件は多くの人々の運命を変えた。事件直後、極限状態の数時間の真実が明らかになる。

■感想
ケネディ暗殺の瞬間の映像は見たことがある。どう考えても即死だと思われるが、パークランド病院に運びこまれ医者は懸命に蘇生を試みたらしい。緊急で運び込まれた患者が実は大統領だったという驚き。そして、暗殺者と思わしきオズワルドが銃撃され、運び込まれた先も同じ病院という偶然。そのあたり、運命を感じずにはいられない。

犯人と疑われたオズワルドが、実はFBIの中で危険人物としてリストアップされていた衝撃。それでいてオズワルドを自由にさせ、大統領を暗殺されたとなれば、FBIの失態以外の何物でもない。

ケネディの遺体をワシントンに運ぶ際の切羽詰まった雰囲気はすさまじい。想定外の事態なため、エアフォースワンで棺を運ぼうにも、棺の置き場所がない。まさか飛行機の貨物スペースに入れるわけにもいかず、突貫で座席を取り外しそこに棺を置く。

棺を飛行機に入れようとすると、サイズの問題で入らない。となると、素早く飛行機内の壁をのこぎりで切り取ってしまう。シークレットサービスとしては失態の上にさらに失態を重ねないため必死となっている。

オズワルドの家族がマスコミから注目をあびるのはしょうがないのだろう。ただ、オズワルドの母親が変わった人物だということに驚いた。真実はいまだ不明だが、オズワルドの母親もどこかおかしな人物だったのかもしれない。

本作で最も不幸だと感じたのは、瞬間を映像におさめた男だ。偶然撮影していたことで、世紀の瞬間として瞬く間に世界中に映像が公開されることになる。ただ、その後も撮影者としてあらゆる雑ごとに巻き込まれていく。まさに不運としか言いようがない。

ドキュメンタリータッチの作品だ。



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