劇場版 機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編


 2020.10.6      感動的なニュータイプ同士の対決【劇場版 機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編】

                     
機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編/アニメーション
評価:3.5

■ヒトコト感想
アニメを見ていたとしてもまた違った感動がある。劇場版としてはラストに向かってかなり改良が加えられているのだろう。ニュータイプを全面に押し出した展開。そして、感動する曲の数々。特にスレッガー中尉がらみの流れというのは激しい感動をおぼえた。

ではまだ成長途中であったホワイトベースの面々たちが、本作ではその圧倒的な力を示している。もはや並みの戦力ではホワイトベースの相手にはならない。特にアムロの成長具合はすさまじく、ラストではシャアが明確に勝てないと言っている。ラストシーンで、ボロボロのガンダムとジオングの対決は強烈に心に残っている。ララァとの対決もそうだが、結末へ向かっての盛り上がりと最後の感動はすばらしい。

■ストーリー
ホワイトベースは、再び宇宙へと飛び立った。ニュータイプとして覚醒したアムロは、ガンダムで迫りくるジオン軍を次々と撃破、すさまじい戦果をあげていく。運命の少女ララァの乗るエルメスと交戦したとき、アムロの精神は、激しく共鳴をはじめた。だが、その戦いは、恐ろしい悲劇につながっていく。ひとの革新とは本当にあるのか?果てしなき喪失感を越えて、アムロの還える場所は…。

■感想
冒頭から宇宙での戦いを展開するホワイトベース。ジオンの軍をまったくよせつけづ、圧倒的な強さを示している。ガンダムだけで大量のドムを倒すなど、ずば抜けた能力を示している。そこから、人間関係の機微が描かれ、アムロの父親が登場したりもする。

あえて映画版に追加した映像としてアムロの父親が死ぬのは、その後のララァとの闘いでの伏線なのだろう。何も守るものも家族もいないアムロだが、なぜか強い。その強さにララァやシャアは圧倒されてしまう。

連邦軍だけでなくジオンの内情も描かれている。よく考えると、本作を小学生が見て適切に理解できるわけがない。戦争の駆け引きだけでなく、ジオン内部での政治的な駆け引き。さらにはギレンは邪魔な父親を排除し、キシリアに排除される。

大人になればその意味や伏線がわかるのだが、小学生では確実に理解できていないだろう。ラストの対決ではジオンの兵士たちは学生ながらMSに乗り込み、「かあさん」と叫びながら死んでいく。連邦軍だけでなく、ジオンの登場人物にも物語があることを思わせる場面だ。

アムロとシャアの対決は感動的だ。そこにセイラが絡み、感動的なシーンへと続いていく。その前段としてガンダムとジオングの激しい戦いがあるのだが、頭と片腕を失った状態のガンダムが、最後に上方に向かってビームライフルを撃つシーンはすばらしすぎる。

シャアがちゃっかりと脱出していたり、ボロボロのガンダムだがコアファイターだけは無傷であったり。連邦軍が全体としては勝利しているのだが、ホワイトベース周りの局地的な状況としてはかなりボロボロとなっている。

今、大人になって見たとしても十分楽しめる名作だ。



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