劇場版 機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編


 2020.9.30      主要キャラが死んでいく濃密なエピソードの数々【劇場版 機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編】

                     
機動戦士ガンダム II 哀・戦士編/アニメーション
評価:3.5

■ヒトコト感想
劇場版第二弾。ランバラルや黒い三連星など、ガンダムとしての面白さが凝縮されている回であり、様々な戦士たちが死んでいく物語でもある。アムロがガンダムを奪ってホワイトベースから逃げ出したり、ランバラル、ハモン夫妻との対決。マチルダさんの死やカイとミハルのエピソードなど盛りだくさんだ。アニメ版と比べるとより大人向けになっている。

ニュータイプということを強調し、ホワイトベースの面々が実はニュータイプの素養があるという前振りがすさまじく散りばめられている。キャラクターの出入りが激しいので、見ていて一番飽きずに楽しめる回かもしれない。男気溢れるキャラや悲しい運命のキャラ。本作に登場するどれかのキャラに感情移入できることだろう。

■ストーリー
ホワイトベースの戦いは続いていた。青い巨星ランバ・ラルのグフ、黒い三連星のドムがホワイトベースを襲う! 連邦軍のオデッサ作戦が進行する中で、アムロはかけがえのない人たちを次々と失っていく。ランバ・ラルとハモン、マチルダとリュウが生命をかけて戦い、散華するさまに、アムロが見たものは何か。死と生の交錯する戦場で、アムロのニュータイプへの覚醒が始まった!

■感想
序盤ではランバラルとの対決が濃密に描かれている。脱走したアムロとランバラルが出合い、その後モビルスーツでの対決で再会する。そこから白兵戦でのランバラルの死。そして、復讐に燃えるハモンの攻撃。アムロは困惑しながらもすべてを跳ね返している。

ハモンとの闘いではリュウの特攻により助かるという強烈なエピソードが続く。このオデッサ作戦が本作のメインなのだろう。ランバラルやハモンだけでなく、リュウやマチルダの死などもある。主要キャラクターの死が目白押しの回だ。

MSとしてもリックドム3機での黒い三連星が登場する。ガンダムとの対決で披露するジェットストリームアタックは強烈だ。セイラが覚醒しマチルダが死んでいく。すべては戦争なのでしょうがないことなのかもしれない。それでも主要キャラたちがあっさりと死んでいくのは驚きでしかない。

子供向けのアニメとしては、人間関係の濃密さがこれでもかと描かれており、死によりそれが強調されている。今までわき役だったカイがメインとなりミハルとのエピソードも濃密に描かれている。カイの人間的な魅力にあふれたエピソードとなっている。

本作ではシャアがあまり活躍しない。それだけ他キャラクターに時間を割いたのだろう。ラストのジャブローでの対決でやっとシャアが登場するのだが、そこではガンダムと対決して逃げることで終わっている。

シリーズの中では多数のキャラが活躍する回なので、時間の経つのを忘れて見入ってしまう。アムロやセイラが覚醒し、カイは人間的に成長していく。ホワイトベースのレベルが一段あがるためにはかかせないエピソードの数々なのだろう。

シリーズの中では最も楽しめる作品かもしれない。



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