DESTINY 鎌倉ものがたり


 2019.2.18      思いのほかコメディだ 【DESTINY 鎌倉ものがたり】

                     
DESTINY 鎌倉ものがたり [ 堺雅人 ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
「ALLWAYS 三丁目の夕日」の監督が鎌倉を舞台にした不思議な物語を描いている。作家の正和と若い妻の亜紀子は、鎌倉の町で不思議な現象に直面する。死者や魔物が普通に街を歩く世界。魔物が飲み屋で酒を飲み、死者の夫婦が手を取り合って歩いている。そんな状況で、亜紀子がひょんなことから事故で亡くなり黄泉の国に旅立ってしまう。

正和がちょっとおっちょこちょいの面白キャラで、亜紀子もどこか抜けている。そんな二人が織りなす物語。番宣などでは感動物語として描かれているが、内容は半分コメディとなっている。黄泉の国から亜紀子を取り戻す流れなどは、「妖怪ウォッチ」の映画を連想させるような流れとなっている。鎌倉に神秘的な何かを感じる人向けの作品だ。

■ストーリー
鎌倉に暮らすミステリー作家・一色正和のもとに嫁いだ年若い妻・亜紀子はその生活に驚くばかり。道を歩けば、魔物や幽霊、妖怪や仏様、死神までも現れるのだ。亜紀子の理想とはちょっと違うけれど、楽しい新婚生活が始まった。しかし、そんなある日、病に倒れた正和が目を覚ますと、愛にあふれた手紙を残して亜紀子の姿が消えていた。亜紀子は不慮の事故で亡くなっており、黄泉の国(あの世)に旅立っていたのだった…。

■感想
作家の正和と亜紀子の夫婦。鎌倉での生活が初めての亜紀子は、魔物や幽霊の存在にいちいち驚いている。対して正和は、それらには一切気にすることなく平然と鎌倉を闊歩している。奇妙な現象が身近にあり、死者がすぐそばを歩いている。極めつけは魔物たちが飲みに来る小料理屋まである。

正和の身近な編集者が亡くなり、妻と子供のことが心配だからと魔物として現世に残る。そのやりとりもシリアスというよりはコメディ全開となっている。前半部分で思いのほかコメディよりということに驚いた。

CGを駆使して魔物や黄泉の国を描いている。死者や魔物が身近にいるので、死についても親近感がある。そして、ひょんなことから亜紀子は事故で死んでしまう。死者が身近にいるので、亜紀子自身は死んだつもりはなく、普通に正和の元にやってくる。

自分が魂となったことに気づいた亜紀子は、驚きながらも自分の体がなくなっていることからあきらめてしまう。ここから、亜紀子の死が予定外のものであるため、正和は亜紀子を取り戻すために黄泉の国に向かうことになる。

TVCMなどでは、妻を取り戻す感動物語となっているが、内容は基本コメディだ。魔物たちもどこかコミカルで、黄泉の国にしてもシリアス感はない。強烈なインパクトはないのだが、魔物のCGや黄泉の国の描写はすさまじい迫力がある。

黄泉の国から亜紀子を取り戻す流れとしては、ドタバタアクションとなっている。死者と身近な世界で生活し、黄泉の国にまでいってしまう。そこでは、自分の両親と再会したりと、なんでもありな展開となっている。黄泉の国に電車で行くというのも良い。

CMのイメージでいるとかなり内容に裏切られるだろう。



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