2020.2.8 テリトリーに入り込む 【ブラック・ハウス 下】
ブラック・ハウス 下/ スティーヴン・キング/ピーター・ストラウブ
評価:2.5
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■ヒトコト感想
子供たちを誘拐し惨殺してきたフィッシャーマン。ジャックと仲間たちはフィッシャーマンとの対決の前にすべての元凶である黒い家に向かおうとする。物語は非常にグロテスクな展開となる。上巻からフィッシャーマンが誰かというのは判明していた。たどり着く過程よりも、ヘンリーを含めた仲間たちがどのようにしてフィッシャーマンと対決するか。
囚われの身となっている子供がフィッシャーマンの魔の手から逃れようと必死になる。異界へと入り込み、そして戦いに勝利するためのカギの情報も得る。フィッシャーマンに勇敢に立ち向かう子ども。そして、荒くれ者だが、黒い家の毒気にやられたとしても必死に戦おうとする者たち。すべての対決の結末が本作にはある。
■ストーリー
人目を避けるように、ひっそりと森の奥深くで息をひそめている“黒い家”。連れ去られた子供たちがこの魔性の家に囚われていると確信し、捜索に向かった人々は、幻影の恐怖と牙をむく魔犬に次々と返り討ちにあっていく。そして、悪夢の鍵を握る老人の言動…。ジャックの異界への旅の終焉に待ちうけているものは?壮大なる冒険ファンタジーがついに迎える未曾有の大団円。
■感想
上巻から続く物語として、フィッシャーマンを探す物語は続く。「タリスマン」と同様にテリトリーが登場してくる。作中ではジャックはタリスマンの主人公ということになっている。あの12歳でテリトリーを旅したジャックが、再びテリトリーへと入り込む。フィッシャーマンを探し出すために協力したバイカーたちは、黒い家の毒気にやられてしまう。
黒い家に近づいただけで気分が悪くなり正常な精神ではいられない。そこに無謀にも立ち向かうことで、フィッシャーマンにたどり着く手がかりを得ることができる。
フィッシャーマンの正体は上巻の時点でわかっていた。フィッシャーマンと近い関係にあった盲目のヘンリーはフィッシャーマンと対決することになる。多数の犠牲をはらいながらジャックはフィッシャーマンにたどり着くことができる。
フィッシャーマンの異常さと、フィッシャーマンに捕らわれの身となったタイラーの対決が本作のメインかもしれない。小さな子供でも勇気をだせば、どのような相手にも反撃することができる。そして、その先ではちょっとしたインパクトのある出来事が待っている。
テリトリー経験者であるジャックだからこそ対応できた事件だろう。黒い家の毒気にやられないための対策や、黒い家をどのようにして壊滅させるか。そこから先ではフィッシャーマンとジャックの直接対決はないにしても、恐ろしいこの世のものではない存在とは戦わなければならない。
タリスマンでもテリトリーの後半あたりはよくわからなかった。本作でもその流れというのは残ったままだ。黒い家から生還するためにはどうすればよいのか。強烈な物語であることは間違いない。
「タリスマン」を読んでいればより楽しめるだろう。
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