図書館戦争 THE LAST MISSION


 2017.8.28      配役はすばらしい 【図書館戦争 THE LAST MISSION】

                     
図書館戦争 THE LAST MISSION スタンダードエディション [ 岡田准一 ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
図書館戦争」シリーズの「図書館内乱」を原作とした本作。原作でポイントであったアマアマな恋愛はしっかり描かれており、主人公の背の高い女隊員・笠原や、背が低いが能力の高い上官・堂上なども、それらしい配役となっている。ただ、原作のニヤニヤするような恋愛要素は省かれており、メインは「未来企画」との激しい戦いが描かれている。

映画作品としては、激しい戦闘シーンを売りにするしかないのだろう。タイトルから、ニヤけるような恋愛がメインですとは言えないのだろう。シリーズのファンが納得するかはさておき、設定の奇抜さを抜きにすると、なんだかありきたりな映画作品でしかないという印象だ。売れっ子ジャニーズにぴったりな配役があるというのは、売りのひとつか。

■ストーリー
「昭和」から「正化」へと歴史を進めた近未来の日本。いまや国家による思想検閲や、メディア規制が横行する社会となっていた。堂上らタスクフォースにある指令が下る。それはこの世に1冊しか現存しない“自由の象徴"「図書館法規要覧」の一般展示が行われる“芸術の祭典"会場の警備。

一見簡単な任務に思えたが、実は、図書隊を解散させる事で、歪んだ世界を正しくしようと考えている、手塚の兄・慧(松坂桃李)が図書隊壊滅を目論み仕組んだ罠だった――。手塚慧の狙い通り、「良化隊」による急襲を受け、成す術もなく1人、また1人と凶弾に倒れていくタスクフォース達。堂上たちは無事に本を、仲間たちを守り切れるのか?!

■感想
図書館の本を守るための図書隊が存在し、激しい戦闘の結果、死人がでる。メディア規制が横行するとはいっても、本を守るために専用の隊を作るなんてのはかなり突飛な発想だが、これが「図書館戦争」シリーズの売りだ。

原作はシリーズ化されており、その中の「図書館内乱」をベースに本作が作られている。映画化されると、映像的な見栄えを考え、戦闘シーンに重点が置かれる場合がある。本作も、そのあたりがメインとされており、ラストの激しい戦闘がクライマックスなのだろう。

原作ではニヤニヤするような恋愛要素も売りのひとつだったのだが…。背が低い上官の堂上と、背が高い部下の笠原。過去に笠原が出会った運命の王子様の存在が本作で明らかとなる。配役は原作に忠実に身長差がでるような配役となっている。その他の要素も、しっかりと表現されてはいるのだが…。

体がかゆくなるような恋愛要素はある程度切り捨てられている。堂上と笠原のまるで漫才のようなやりとりと、お互いが相手のことを気にしながら、一歩を踏み出せずにいるモヤモヤ感。それを周りでニヤつきながら見る同僚たち。このあたりがニヤニヤ感の最高潮だろう。

映画としてのクライマックスは激しい戦闘であり、「未来企画」との交渉シーンだろう。そもそも原作が、本を守るための戦闘要員としての物語のため、戦いとなると犠牲者がでるのは当然のことだ。

当初はお決まり通りの戦闘と停戦かと思いきや、激しい戦闘が続くことになる。戦争映画ほどグロテスクであったり激しい戦闘描写があるわけではない。ただ、なんとなく図書館の本を守るために死んでいくというのは、死んでも死にきれないような印象をもってしまう。

原作のどの部分に重きをおいて映画化するかがポイントだろう。



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