地球が静止する日


 2015.10.27      二度目の印象は大きく違う 【地球が静止する日】

                     


■ヒトコト感想

一度劇場で見た作品をもう一度見てみた。前に見た時の印象としては、映像的インパクトがすばらしいというのが強かった。ただ、ラストがあっさりしすぎているが、巷でたたかれるほど悪いできではないと思った。それが、いざ二回目となると、印象が変わってくる。前半までは非常によかった。未知の生物の来襲。そして、圧倒的な科学力の違い。

ここからどのようにして地球人たちは対抗していくのか?と思ったのもつかの間。いつの間にかすべてが解決してしまっている。映画館で見た時には、前半のイメージがあまりに強く、後半のグダグダ感を忘れていたのだろう。改めて見ると、後半はかなりいただけない。この流れでは、酷評連発もしょうがないと思えてしまう。

■ストーリー

NYのセントラルパークに巨大な球体が出現。降り立った宇宙からの使者クラトゥが現れた。アメリカ政府は危機対策チームを発足。幼い義理の息子を育てる生物学者ヘレンも召集されるが、地球静止へのカウントダウンは始まっていた!

厳重な警備網をいとも簡単に破って街へ出たクラトゥは、ヘレンとその息子に接触。二人は衝撃の事実を知る。クラトゥは宇宙から人類へ向けられた最終警告だったのだ。クラトゥの目的は地球を救うこと。そのために彼が成し遂げようとしている衝撃の計画とは?

■感想
前半のミステリアスな展開はすばらしい。得体の知れない侵略者たちが地球へとやってくる。巨大ロボの不気味さはすさまじい。地球に対して何かとんでもない危機が迫っているというのは伝わってくる。無謀なアメリカの高官たちが、敵を排除しようと無駄な努力を繰り返す。

巨大ロボが小さな虫に分裂し次々と広がっていく部面は強烈だ。これが本作のピークなのだろう。地球人たちがどれだけ抗おうと排除できない敵。強烈なインパクトと、その先にあるのは、圧倒的な絶望だ。まさに、この前半部分が本作の面白さのピークだろう。

ヘレンに義理の息子がいる。この子供が何か大きな役割を果たすような雰囲気を醸し出しておきながら、何もない。クラトゥが一人でこの事態を引き起こし、ひとりで幕引きしてしまっている。ストーリー的なあっけなさは群を抜いている。

前半までに作り上げたミステリアスな状況をすべてをどうでもよくしている。前半に見せ場をもってきすぎたために、後半ではネタ切れしてしまったのだろうか。それとも、地球の危機を救うための劇的な何かが思いつかなかったのだろうか。後半のひどさはすさまじい。

本作を見たことがない人と見たので、前半部分を見た段階では「とても面白そうだ」という感想だった。それが、後半に突入し、さらには結末を迎えると、あっけなさすぎるという当然の感想がでてきた。このパターンは誰もが感じることだろう。

前半の面白さはすばらしいが、すべては脚本に問題があるのだろう。オリジナル作品である「地球の静止する日」とまったく同じオチの方がまだマシかもしれない。久しぶりに見ると、映画館の大画面映像でごまかされていたのだとわかった。

世間の酷評も当然だろう。



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