聖書を読む  


 2017.6.4      聖書がわかりやすくなる 【聖書を読む】

                     
聖書を読む [ 佐藤優 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
佐藤優と中村うさぎが聖書について語る。正直、自分は聖書になじみがない。聖書の中の物語は全く知らない。作中に登場してくるキーワードはなんとなく聞いたことがある程度。そんな状態で聖書について議論した内容である本作を読んだ。想像していたよりも楽しめた。ちんぷんかんぷん、読んでも意味不明と感じるかと思いきや、聖書内の物語をわかりやすく説明してくれるので、知識のない人でも楽しめるだろう。

当然、聖書の内容を知っている方が楽しめるのは間違いない。自分が知っている知識の断片から、聖書に登場してくる人物を連想する。どこかで聞いたことのある名前は必ずでてくるだろう。あの有名な人物には、こんな意味があったのかと、驚かずにはいられない。

■ストーリー
えこひいきもジェノサイド(大虐殺)も気分次第な「創世記」の神様。キリスト亡き後、パウロを中心に弟子たちの抗争を描く「使徒言行録」、聖書の中で唯一、未来を語る「ヨハネの黙示録」―。共に同志社大学出身、キリスト教徒の二人が縦横無尽に聖書を読み、語り尽くすバトル対談第二弾!

■感想
キリスト教徒ではないので、聖書になじみはない。知識としてもほとんどない。そんな状態で聖書の物語について佐藤優と中村うさぎが議論するのを読むことに不安を覚えた。が、いざ読み始めると、すんなりと聖書の世界に入り込むことができた。

元ネタを知らないので、細部ではわからない部分はあったが楽しめた。イエスやユダ、カインとアベルなど、聖書を知らなくても名前は聞いたことがある。そして、その人物が物語上では、どのような役割を担っていたのかを知ることができた。

単純に、自分は知らないが、世界的に有名な物語の一端を知れたのはよかった。キリスト教徒は、この聖書の内容を真剣に読み解いたのだろう。原書は恐ろしく小難しいのだろうが、作者たちの議論の中では、身近な内容に落とし込んで説明してくれるので非常にわかりやすい。

聖書の内容は、人によっていろいろな解釈の仕方がある。本作の中でも解釈の違いで議論している場面がある。どっちもどっちで、細かい部分はどうでも良いと感じてしまった。聖書について、変なアレルギーがなくなったのは確かだ。

聖書以外には、村上春樹の「多崎つくると 」についての議論もある。この作品に関しては自分も似たような印象をもったので違和感はない。なぜ村上春樹の作品が日本で売れるのか、という疑問についてもうっすらと回答している。

オチを描かず、読者にその後の展開を想像させるような流れ。特別、村上春樹をディスっているわけではないが、それでも村上春樹の熱烈なファンは良い気持ちはしないだろう。中村うさぎは、佐藤優に対しても言いたいことをズバズバ言っているようで、それも面白さの要因かもしれない。

聖書に関する知識がゼロでも楽しめるだろう。



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