IT 第2巻  


 2017.4.20      対決のため集められた7人の大人 【IT 第2巻】

                     
It 2 / スティ−ヴン・キング、小尾芙佐 / 文春文庫
評価:3
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■ヒトコト感想
前巻では呼び出された7人がどのような経験を子供時代にしてきたかが語られていなかった。そのため、7人の勇者がITを倒すために集まる、というイメージがあった。本作では7人それぞれが、子供時代にITとどういった関係があったかが語られている。ITによりトラウマを植え付けられるが、なんとかITの魔の手から逃れた子供たち。

大人となり、なぜかそれぞれ大成功した7人。それでも、ITを倒すために懐かしの街へ集まることになる。そして、大人となった7人の前にITを連想させるような奇妙な現象が起こる。前巻ではITの正体は不明だったが、本作では現実的ではない超常現象的な存在だと思わせる描写が続く。子供にしか見えない血のりや声。明らかに心霊的な何かを連想させている。

■ストーリー
少年の日に体験した恐怖の正体は何だったのか? 二十七年後、引き寄せられるように故郷の町に戻り、IT(それ)と対決する七人

■感想
二十七年後、故郷の町に集められた7人の大人たち。それぞれに子供時代に何があったのかという回想が続く。このあたりは、少年少女たちがそれぞれ冒険しながら恋愛や力関係の変化、そしてそれぞれのキャラクターが強く印象づけられることになる。

それぞれの個性を生かした仕事をし、大成功した7人。成功のレベルがすさまじく高い。それはまるでITの魔の手から逃れられたご褒美のようにすら感じてしまう。そのまま、幸せと思われる生活を続け、ITのことを忘れることもできたはずの7人は、また町に集まることになる。

子供時代のエピソードを通してITの正体がうっすらと見えてくる。前巻では、ITは精神に異常をもつ人間の可能性もあったが、本作では明らかに心霊的なイメージが強くなっている。バスルームに血のりが広がるが、それは大人には見えない。

子供だけに見える血と下水から聞こえてくる子供の声。はたまた、子供時代の恐怖をフラッシュバックさせるような記述。町に戻ってきた7人に対してITは明らかに報復しようとする雰囲気がある。大人たちに特別な力があるわけではない。そんな状態でITに勝てるのだろうか…。

それぞれの登場人物たちのキャラクターに合わせたトラウマが襲いかかってくる。心の奥底の恐怖を刺激する現象。ITが姿を現す象徴としてピエロが利用されている。そして、現実的な恐怖の対象として、ペニーワイズという人物がITだと描かれてはいるが、その能力は未知数だ。

姿自体が子供にしか見えなかったり、凄惨な殺人をくりかえしたり。大人となった7人が対決する際には、物理的な攻撃よりも精神的な強さが影響するのだろう。本作の前半部分は「スタンド・バイ・ミー」的な雰囲気があったが、後半は様変わりしている。

ITと対決する7人の子供時代の回想がメインの回だ。



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