グランド・クロス・ジャッジメント・デイ


 2015.1.12      久々の面白映画 【グランド・クロス・ジャッジメント・デイ】

                     


■ヒトコト感想

たまにぶち当たる面白映画。チープな映像に、突拍子もない展開。世界の終わりを田舎の小さな町だけで処理しようとするのは無理があるだろう。謎の煙に触れただけで人が粉々に崩れ落ちる。町全体を謎の電磁波が覆い、外から侵入したヘリは粉々に崩れ落ちる。この雰囲気は、同じく面白映画であった「アルマゲドン2009」に近い。

画面を揺らして地震を表現するだとか、お手軽に電磁波で危機を表現するだとか。低予算パニック映画は同じような手法に行きつくのだろう。最強の面白映画であった「エンド・オブ・アース」には負けるが、世界の存亡を田舎の街だけで処理してしまうのは無理がありすぎる。強引なご都合主義と面白映像が見どころだろう。

■ストーリー

クリスマス前、突然世界を襲った異変の連鎖。対策に奔走していたジョセフは、マヤ文明が遺した古文書の存在を知る。その預言によると“12番目の災いが訪れた時、人類は滅亡する”との事。阻止するためには、伝説の5つの指輪を探し“選ばれし者”の手に渡すしかない。その人こそ、ジョセフの娘のジェイシーだった…。クリスマスまでの12日間、次々と襲いかかる天変地異を圧巻のスケールで描くSFパニック。

■感想
壮大なスケールで描かれているのは、物語内の言葉のみ。世界滅亡や12の災いなど、言葉は大げさだが内容が伴ってこない。何の前触れもなく始まる世界滅亡の危機。世界を救えるのはひとりの少女だけ。田舎町がとたんに騒がしくなり、その町だけで急激に様々な災難が訪れる。

空から降り注ぐ巨大なつらら。地震に謎の毒の煙。それらの現象についてはまったく説明はない。ただ12の災いということで済ましている。最初は気にならない厄災の映像が、後になればなるほど面白映像になってくる。

突然街を襲う説明のつかない冷気。それに触れるとまたたくまに凍ってしまう。世界を救えるのはジェイシーだけ。何より、厄災の映像がチープなことと、世界が滅亡するはずなのに、他の街は普通にしているということだ。町の周りが電磁波のようなもので覆われ、外部から救出ヘリがやってきても入ることができない。

世界滅亡の危機ならば、もっと世界が大騒ぎしているだろうことは、考えてはならない。物語の流れは予定調和的にすすんでいく。ジェイシーを邪魔する者、ジェイシーを助ける者。そして、困惑する人々。わかりやすいといえばわかりやすい。

本作が20年前の作品であれば何ら問題はない。CGを駆使したリアルな映像が当たり前の昨今、今更この映像はないだろう。パニック映画として肝になるのは間違いなくその災害の映像だろう。肝心な災害の映像がチープであれば、まず緊迫感がない。そして、世界の滅亡をうたっている割には、本作の街以外は登場しない。

片田舎だけでチョロチョロと動き回っているようにしか見えない。ただ、B級映画としての突っ込みどころはある意味本作の売りなのだろう。もしかしたら、突っ込まれることを前提とした映画なのかもしれない。

久々に見た面白映画だ。



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