バスカビル家の犬 大沢在昌


 2016.8.12      ホームズ好きはどうぞ 【バスカビル家の犬】

                     
バスカヴィル家の犬 [ コナン・ドイル ]
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■ヒトコト感想
コナン・ドイル原作のシャーロックホームズシリーズのひとつを原作とした作品。原作は未読。そのため新鮮な気持ちで読むことができた。バスカビル家に存在する伝説。そして伝説のとおりに殺される者。ポイントは伝説の魔犬が存在するかどうかだ。ワトソンが最初に現場に乗り込み、調査し、報告をホームズへ行う。そこでホームズが最後にずばりと謎解きをする。

昔からあるミステリーの定番としての流れではある。魔犬や底なし沼など、ミステリアスな要素は多数ある。伝説で終わらせる展開ではなく、科学的なオチをしっかりとつけている。ラストの解明に向けての流れは非常にハラハラしながら読むことができ、子供のころに読んだホームズシリーズを思い出した

■ストーリー

英国中部の荒野に建つバスカビル家の館。当主のチャールズ卿が不可解な死を遂げた現場には、巨大な犬の足跡が残されていた。その死の真相を探るのは、ロンドン・ベーカー街に住む、S・ホームズ。この沈着冷静な名探偵が僚友ワトスン博士と共に、魔犬伝説の謎を解く

■感想
巨大な資産を有するチャールズ卿が不可解な死を遂げる。そこにはバスピカル家の伝説がある。巨大な魔犬に喉を引きちぎられたチャールズ卿。この世に巨大な魔犬など存在するのか、ということでホームズが事件に興味を示すことになる。

チャールズ卿の遺産相続の問題なのか、それとも伝説のとおりなのか。不可解な事件となるとホームズが興味を示し、手始めにワトソンが現場に向かうことになる。そこで人間関係や不可解な出来事に遭遇し、謎を解き明かそうとする。

様々な不可解な状況が起こる。脱走した囚人や底なし沼など、周辺に恐ろしげな部分は多数存在する。恐怖の伝説と恋愛も絡んだ複雑な人間関係が、ミステリアスな状況を生み出している。ワトソンの目から見た事件を、定番どおりホームズに手紙で報告している。

この報告によりミスリードもあれば進展もある。ワトソンが奮闘し、解決直前までいくのだが、危険もある。ワトソンたちに命の危険が迫っているとわかると、ここでやっとホームズが登場する。

ホームズはすべてをわかっているようで、先の先まで想定する。そして、魔犬の秘密を暴いてしまう。危険を承知でおとり捜査のようなことをし事件を解決する。魔犬にしても、現実的な答えを示してくれてはいるが、特別驚くようなオチではない。

ホームズにどのような印象をもつかによって本作のイメージも変わるだろう。自分の場合はある程度、映画や小説としてシャーロックホームズを理解しているので楽しめた。まったく知らない人にとっては辛いかもしれない。

シャーロックホームズ好きな人にとっては、読んでも良いかもしれない。



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