2017.12.31 懐かしき昭和の風景 【ALWAYS 三丁目の夕日'64】
ALWAYS 三丁目の夕日 '64 [ 吉岡秀隆 ]
評価:3
■ヒトコト感想
ALWAYSシリーズ第3弾。東京オリンピックが開催される年を舞台にした本作。シリーズ第2弾から5年後らしい。淳之介は東大を目指す高校生となり、鈴木オートの息子の一平はエレキギターにはまる。そして六子は恋をする。オリンピックのタイミングで白黒テレビからカラーテレビへと変わっていく。下町で暮らす者たちのドタバタはノスタルジックな気分になる。
本作のメインは六子の恋だろう。医者の菊池に恋をして、最初は遊ばれているのでは?と周りが気にするほど菊池はプレイボーイだ。そして、茶川と淳之介の複雑な関係も描かれている。駄菓子屋に白黒テレビに、皆で一緒にカラーテレビを囲む。自分が経験したわけではないのだが、妙な懐かしさを感じてしまう。
■ストーリー
シリーズ第3弾。東京オリンピックが開催された昭和39年(1964年)を舞台に、東京の下町・夕日町三丁目に暮らす個性豊かな住民たちの悲喜こもごもを描く。
■感想
シリーズの売りは昭和の雰囲気をいかにして感じることができるかだと思う。東京オリンピックがスタートする年。それはテレビが白黒からカラーへと変化していく流れだ。前作から5年後を描いた本作。茶川は相変わらず売れない小説家であり、淳之介が小説の才能を発揮し始める。
茶川と淳之介の関係が微妙に変化してくるのは、淳之介に小説の才能があったことからだ。淳之介の才能に嫉妬し、東大に入ることが幸せだと言う茶川。売れない小説家だからこそ、説得力のある力説が始まる。
六子がオシャレに目覚め、男に恋をする。六子の恋愛は初々しくて良い。憧れのあの人と出会うために、毎日同じ道を歩く。そして、恋愛関係に発展するのだが…。ここで六子の親代わりである鈴木オートが強烈な怒りをぶちまかす。
実の親ではないが、実の娘のように六子のことを大事に思う。その結果、行き過ぎた行動となる。このあたり、鈴木オートが大暴れするのはこのシリーズの定番だろう。世間がオリンピックで浮かれるのと同様に、夕日町も、なんだか浮かれているような雰囲気だ。
駄菓子屋に、道で無邪気に遊ぶ子供たち。それらすべては昭和の風景だ。自分がこの時代に生まれていたわけではないが、なぜか妙な懐かしさを感じてしまう。真っ赤な夕日に照らされた町並み。あちこちから夕食のにおいが漂ってくるような風景。
今では消滅した風景の数々に、思わず懐かしさで涙がこみ上げてくる。このシリーズの特徴として、誰も悪い人物がいないのが良い。最後の最後にはしっかりと笑って終われるような雰囲気が、万人受けするのだろう。
シリーズの良さが凝縮された作品だ。
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