ALWAYS 続・三丁目の夕日


 2008.6.25  希望に満ち溢れた時代 【ALWAYS 続・三丁目の夕日】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
前作の雰囲気そのままに、鈴木オートや茶川のまわりでドタバタ騒動が繰り広げられる。若干のタイムラグがあるせいで淳之介が異様にでかくなっていたりと、違和感は多少感じるのだが、雰囲気はそのままだ。相変わらずの懐かしさと、心温まる近所の人々。多少の悪人も存在するが、胸糞悪くなるような人物はいない。高度成長期独特の騒がしさの中で、オシャレして銀座に出かける人々。今と比べるとそのしょぼさは計り知れないはずなのだが、妙に楽しそうに感じるイベントの数々。俳優たちの生き生きとした演技と、ちょっとしたコネタをはさみながら繰り広げられるドラマ。大きな人間ドラマがあるわけではなく割とありきたりなはずなのに感動できるのは、その時代背景の力が大きいのだろう。

■ストーリー

駄菓子屋を営む茶川(吉岡秀隆)と、鈴木オートを営む鈴木家の物語。去ったヒロミ(小雪)のことを思い続けながら、彼女が連れてきた淳之介(須賀健太)と暮らす茶川。だがまた実父が淳之介を連れ帰りたいと言ってきたため、安定ある生活を求めて再び彼は芥川賞を目指して小説を執筆。実際に候補者へとなっていく。一方、鈴木オートではこれまでお嬢様として育てられた親戚の少女を預かることになり、またいろいろな騒動が巻き起こっていく。

■感想
様々な要素が含まれている本作。それぞれのエピソードがしっかりと紐付けされているわけではなく、バラバラなのだが、関係者たちがすべてこの下町で生活する人々のため、強い結びつきがあるように感じてしまう。小説家の茶川と居候の淳之介。貧しいながらも慎ましやかに生活する二人が直面する貧困の壁。親戚のわがまま娘を預かることになった鈴木オート。幼馴染と再開する六子。何かしら問題があるのだが、全てが良い方向へと流れていく。ありきたりと言ってしまえばそうかもしれない。しかし、この雰囲気の中では奇をてらう必要はない。

子供が親の手伝いをする。洗濯物をローラーで干したかと思えば、洗濯板で洗濯する。今はもはや絶滅しかけている手伝いをする子供という場面を通して、懐かしい家庭用品たちをしっかりとアピールしている。脇を固める人々の、ちょっとギャグも含まれた暖かい助言があり、それが妙に心に染み入る。悪い心を持った人間も、本作のような下町で生活をすれば、決してそれ以上道に外れることはなく、更正せずにはいられない。そんな印象すらもった。

ほのぼのとしたキャラクターもそうだが、演じている俳優たちの表情がすばらしい。満面の笑みで生活を楽しむ。そこには嫌な人間関係や、いじめなどはない。現在のようにじめじめとした陰湿な社会ではなく、カラリとした湿度の低い健全な社会のような気がした。モノが溢れ豊かになると、生きることへの心配はなくなる反面、それ以外の部分へ目が行き違った意味で生命の危険が訪れることがある。そう考えると、前作から引き続いての感想だが、高度成長期独特のなんだかわからないが、日本全体がワクワクして未来への希望に満ち溢れ、パワーみなぎる世界を感じることができる。

この雰囲気が全てを成功へと導いているのだろう。



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